フランシス・ダッシュウッド (第11代ル・ディスペンサー男爵)

フランシス・ダッシュウッドの生涯

フランシス・ダッシュウッド（第11代ル・ディスペンサー男爵）は、1708年に誕生し、1781年にこの世を去ったイギリスの政治家です。彼はトーリー党の一員として知られ、特に第3代ビュート伯爵ジョン・ステュアートの内閣で財務大臣を歴任しました。また、秘密結社「地獄の火クラブ」の主宰者としての一面も持ち、彼の人生は多彩な活動に満ちています。

幼少期と教育

彼は初代準男爵サー・フランシス・ダッシュウッドとその妻メアリーの間に生まれました。父は商人としてトルコと取引を行っており、ウィンチルシー選挙区から庶民院議員としても活躍していました。ダッシュウッドは私的な教育を受けながら成長し、1724年には父の死によって第2代準男爵位と地所を受け継ぎました。

若き日の放蕩

若い頃のダッシュウッドは、ヨーロッパ旅行を通じて放蕩な生活を送り、悪名を得ました。特にロシアでは、スウェーデン王カール12世になりすましたり、イタリアでは教会から追放される結果になりました。

政治活動の始まり

イギリスに戻った後、皇太子フレデリック・ルイス家で小さな役職を得ましたが、母方の伯父がウォルポール首相によって解任されたことから、反ウォルポール派となり、役職を辞したのです。1734年には貴族の芸術愛好家協会を創設し、その活動は政治的な緊張感を孕んでいました。

議会活動と財務大臣

1741年の総選挙では、ウォルポール派候補と激しく争い、議席を確保しました。トーリー党に所属し、彼は1761年までニュー・ロムニー選挙区から選出され続けました。また、ウォルポール政権を激しく批判し続け、1763年4月には財務大臣として政権に加わることになりましたが、その経済知識の欠落から予算に関する演説には失笑を買いました。

地獄の火クラブの主宰

1755年頃、彼は地獄の火クラブを設立しました。これはギャンブルや乱痴気活動で知られ、ダッシュウッドはこの組織を通じて悪名を高めました。このクラブは彼の政治家としてのイメージとは対照的に、非常に自由奔放な性格を反映しています。

最後の年

1763年にはル・ディスペンサー男爵位を継承し、貴族院議員に転じました。その後も活躍を続け、長期にわたる政権のノース卿フレデリック・ノース内閣では、共同郵政長官として務めました。しかし、1781年12月11日にウェスト・ウィコムで亡くなり、子供がなかったため、彼の名誉ある爵位は保持者不在となりました。

家族と結婚

1745年、バッキンガムシャーのジョージ・グールドの娘、サラと結婚しましたが、子供は生まれませんでした。

参照文献

ダッシュウッドに関する詳細な情報は、ポール・ラングフォード著の『オックスフォード ブリテン諸島の歴史8巻』などで確認できます。彼の多彩な人生は、イギリスの政治と文化における興味深い一ページを飾っています。

ダッシュウッドの伝記や研究は、彼の政治的影響だけでなく、彼のパーソナルな側面をも照らし出すものとして、現在でも注目され続けています。

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