フランスの地方行政区画

フランスの地方行政区画

フランスの領土は、主に二つの部分に分けられています。一つは、ヨーロッパ大陸にある地域で、もう一つは、ヨーロッパ外に広がる海外領土です。この二つの領土は、地方行政の観点から様々な区画に分類されています。

ヨーロッパの領土

フランス本土は、地理的にヨーロッパに位置し、13の地域圏（レジオン）から成り立っています。これらの地域圏はそれぞれ、行政の中心となる地域圏首府を持っています。

地域圏はさらに、県（デパルトマン）に細分されます。県制度は、フランス革命以降に設けられ、フランス王国時代の古い区分を廃止する形で導入されました。これにより、フランスの領土拡大や地域人口の変動に合わせて、新たな県の設立も行われてきました。

現在、フランスには101の県が存在し、そのうちの96は本土や周辺の島嶼に位置し、残りの5は海外にあります。多くの県には、アルファベット順に2桁の番号が付けられており、これは郵便番号やナンバープレートなどで使われています。また、各地域圏の首府は、その県の県庁所在地にもなっています。

県よりも下位の行政区画には、以下のようなものがあります：

• - 郡（アロンディスマン）：330
• - 小郡（カントン）：3880
• - 市町村（コミューン）：36,569

特に、規模の大きいコミューンはさらに区（Arrondissement municipal）に分けられ、例えばパリ、リヨン、マルセイユなどはそれぞれ多くの区に区分されています。また、市町村が協力する形成として、750の都市共同体も存在します。

海外の領土

フランスの海外領土に関しては、5つの海外県（Départements d'outre-mer、DOM）と5つの海外準県（Collectivités d'outre-mer、COM）、さらに特別な共同体であるニューカレドニアが含まれます。加えて、無人島や南極大陸の一部もこの括りに入ります。

海外県と海外地域圏

海外県は、1946年に設立されたもので、全ての海外地域圏はこれに基づいています。2003年には、一部の県が地域圏に昇格したことにより、海外地域圏の設置が進みました。これにより、海外県は地域圏としての機能を併せ持つこととなったのです。

海外準県と海外領土

また、海外準県は、2001年に設けられ、その後2003年に新たな形態に移行しました。海外領土は、代替的に海外県や海外準県となる可能性もあります。

そのほかの海外の領域

無人島や特定の地域もフランスの領土に含まれ、これらの地域には軍事施設や研究施設があるため、常に駐在が必要な場合もあります。

地理的な特性・歴史・言語

フランス内には、地理・歴史・言語的な特性を持つ地域がいくつか存在します。例えば、オクシタニアではオック語話者が、ブルターニュではブルトン語話者がいるなど、多様な文化が共存しています。また、コルス島はイタリアと深い関係があり、アルザス＝ロレーヌではアルザス語が話されています。これらの地域は、文化的かつ歴史的に特異な位置を占めており、フランスの豊かな多様性を示しています。

フランスの地方行政区画は、広範囲にわたり複雑であり、それぞれが独自の特性を持っています。地域ごとの文化や言語、歴史を尊重しつつ、はっきりとした統治形態を維持することが、フランスの地方自治の大きな特徴の一つといえるでしょう。

もう一度検索