フランスガス公社

フランスガス公社（Gaz de France、GDF）は、かつてフランスに存在した公営企業でした。GDFは天然ガスの製造、輸送、販売を世界規模で手掛け、フランス本国はもとより、ベルギー、イギリス、ドイツなどヨーロッパ各国に市場を広げていました。

主な顧客プログラム

GDFは、多様な顧客ニーズに対応するため、以下のような顧客プログラムを展開していました。

GDF Dolcevita：家庭などの個人消費者向け
GDF Provalys：中小企業向け
GDF Energies Communes：各都市、地域などの政府・行政・公共団体向け
GDF Energy：大企業向け
* GDF Cegibat：建設業者向け

歴史

GDFは、第二次世界大戦終結後の1946年、フランス政府によってフランス電力公社（EDF）と共に設立されました。当初は公営企業として運営されていましたが、天然ガス市場の国際的な開放が進むにつれて競争が激化し、海外への事業拡大を積極的に進めました。

2005年7月には、株式の30%が一般投資家に開放され、株式市場に上場しました。取引開始時の株価は1株あたり23.40ユーロでした。

スエズとの合併

2006年2月25日、当時のドミニク・ド・ヴィルパン首相は、GDFと大手エネルギー多国籍企業であるスエズ（SUEZ）との合併を発表しました。この合併は、イタリアの大手電力会社エネル（Enel）によるスエズ買収を阻止するとともに、世界最大級の液化天然ガス（LNG）企業を誕生させることを目的としていました。

合併には、フランス政府が保有するGDF株の比率を80.2%から34%に引き下げる必要がありました。このための法案審議を経て、合併の実現に向けて動き出しました。

そして、2007年9月、GDFとスエズの合併が合意に達し、2008年にGDFスエズとして新たなスタートを切りました。GDFスエズは、ヨーロッパで2番目に大きなエネルギー企業となり、GDFはその役割を終えました。その後、GDFスエズは社名をエンジー（Engie）に変更し、現在に至ります。

GDFの設立からスエズとの合併、そしてエンジーへの進化は、フランスのエネルギー政策の変遷を象徴する出来事と言えるでしょう。

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