フランスサッカー経営管理総局

フランスサッカー経営管理総局（DNCG）について

フランスサッカー経営管理総局（フランス語: Direction nationale du contrôle de gestion、略称＝DNCG）は、1990年に設立されたフランスプロサッカーリーグの独立部署です。主にフランス国内のサッカークラブの会計監査業務を専門としています。

主な役割：監査と懲罰

DNCGは、クラブの経営状況と法的状況を詳細に調査し、その結果に基づいてクラブの活動に関して様々な決定を下す権限を持っています。具体的には、以下の措置を講じることが可能です。

選手獲得の制限: 新規選手の獲得を一部または全面的に禁止する。
予算管理: クラブが提出する予算案に応じて、選手契約に関してDNCGの認可を必要とするなど、選手獲得に関する制限を設ける。
選手数制限: トップチームへ移籍可能な選手の数を制限する。
昇格・降格: 上位ディヴィジョンへの昇格を差し止めたり、下位ディヴィジョンへの降格を命じたりする。
競技会からの除外: 各競技会からの除外や追放といった、より厳しい処分を下す。

これらの措置は、クラブの財政状況や経営状態が健全でないと判断された場合に適用され、クラブの財政安定化とリーグ全体の健全な発展を目的としています。

組織構成

DNCGは、以下の3つの委員会で構成されており、各委員会がそれぞれのカテゴリーに属するクラブの財政的および法的管理を担当しています。

1. プロクラブ管理委員会: リーグ・アンとリーグ・ドゥの全クラブ、およびフランス全国選手権の中でプロの資格を持つクラブを管理します。フランスサッカー連盟（FFF）に本部を置いています。
2. 連盟クラブ管理委員会: フランス全国選手権2の全クラブ、およびフランス全国選手権の中でアマチュアのクラブを管理します。こちらもFFFに本部を置いています。
3. 地域クラブ管理委員会: フランスの全13地域にそれぞれ本部が置かれ、フランス全国選手権3および地域リーグ以下に所属するクラブを管理します。

DNCGの決定に対する異議申し立て

DNCGの決定に対して不服がある場合、クラブ側は以下の方法で異議を申し立てることができます。

フランスサッカー連盟（FFF）への控訴: DNCGの決定がクラブに通知された日から1週間以内に、FFFの控訴委員会に控訴することができます。
フランス国立オリンピック・スポーツ委員会（CNOSF）への提訴: CNOSFに提訴し、CNOSFがクラブ側の資料を元に調停案をFFFに提出します。その後、FFFの連盟評議会が調停を受理するかどうかを判断します。ただし、CNOSFはあくまで助言を行うのみであり、仲裁を拒否する場合もあります。
行政裁判所への提訴: 各地域を管轄する行政裁判所へ処分の取り消しを求めることができます。裁判は短期間で裁定が下ることもありますが、長期化する場合もあります。裁判所がDNCGの決定を無効と判断した場合、DNCGは再度審査を行う必要があります。

関連事項

フランスプロサッカーリーグ（LFP）
リュゼナックAP - 2014-15シーズンのリーグ・ドゥ昇格差し止めに関する事例
* FCジロンダン・ボルドー - 2024-25シーズンのフランス全国選手権2への2段階降格に関する事例

DNCGは、フランスサッカー界におけるクラブの健全な経営を支える、非常に重要な機関です。

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