フランス通信社

フランス通信社（AFP）とは

フランス通信社（Agence France-Presse、AFP）は、フランス・パリに本拠を置く国際的な通信社であり、その歴史は1835年に遡ります。AFPは、世界で最も古い報道機関の一つとされ、AP通信やロイターと並ぶ世界三大通信社の一角を占めています。特に日本においては、戦後から時事通信社がAFPの特約販売代理店として機能し、それ以降も継続的なニュース配信が行われています。2007年からは、クリエイティヴ・リンクがAFPの日本語版サイト「AFPBB News」を運営し、国内でも広く利用されています。

組織と拠点

AFPの本部はパリの2区に位置し、周囲にはブルス広場があります。さらに、ワシントンD.C.、香港、ニコシア、モンテビデオといった複数の地域センターを持ち、160カ国以上に支局を展開しています。これにより、世界中の様々な出来事をリアルタイムで把握し、報道する体制が整っています。

言語と配信

AFPは、ニュースを公式にフランス語、英語、アラビア語、スペイン語、ドイツ語、ポルトガル語の6か国語で配信しています。さらに、日本語、中国語、韓国語など、現地法人の協力を得てその他の言語でも情報を提供しています。これにより、全球規模で多様な背景を持つ読者に向けて情報を届けることが可能となっています。

沿革と発展

AFPの前身であるアヴァス通信は、1835年にシャルル＝ルイ・アヴァスによって設立されました。この通信社は、フランス国内外で様々な活動を行い、1852年には当時の従業員であったポール・ジュリアス・ロイターとベルンハルト・ヴォルフがそれぞれイギリスとドイツで報道機関を開業し、欧州内での地域別分業提携を進めました。しかし、第二次世界大戦中の1940年にはドイツ軍のパリ占領に伴い、やむを得ず音声通信業務が「フランス情報局」及び「情報文書局」に改称され、広告代理業のみがアヴァス社として営業を続けました。この時期は、報道が厳しい制約を受ける中で、重要な通信の橋渡しを行っていました。

1944年8月、パリの解放後にAFPという名のもと、初のニュース配信が行われ、その後国有企業として再編されました。1957年には、フランス国会によってAFPの独立した経営が認められ、政府からの収益は減少しました。このような時代背景の中、1971年には人工衛星を利用したニュース配信が開始され、1973年からはコンピュータによる記事編集作業にも着手しました。これにより、より効率的かつ迅速にニュースを届けることができるようになりました。

2006年には、クリエイティヴ・リンクと共同で日本語版ニュースサイト「AFPBB News」を開設し、2008年にはフランス政府がAFPの株式を一部売却しました。2012年には、最新のインターネット・アプリ「e-diplomacy Hub」が立ち上がり、デジタルメディアの重要性が一層高まる中での新しい情報提供の形が模索されています。

まとめ

AFPは、長い歴史の中で多くの変化を遂げながらも、国際ニュースを多言語で迅速に配信する使命を果たしています。これにより、世界中の出来事に対する理解が深まり、情報が国境を超えて広がる手助けを行っています。今後もその役割は、一層重要になっていくことでしょう。

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