フランス領赤道アフリカ

フランス領赤道アフリカ（Afrique Équatoriale Française: AEF）

フランス領赤道アフリカは、1910年から1958年まで中部アフリカに存在したフランスの植民地連邦です。その領域は現在のガボン、コンゴ共和国、中央アフリカ共和国、そしてチャドに相当します。

構成植民地と統治

1910年、フランスはガボン植民地、中央コンゴ植民地（現コンゴ共和国）、ウバンギ・シャリ植民地（現中央アフリカ共和国）の3地域を統合し、連邦制を敷いてフランス領赤道アフリカを設立しました。1920年には、フランス領西アフリカに所属していたチャド植民地も加わり、4地域体制となりました。

連邦の総督はブラザヴィルに常駐し、各植民地の主都には総督の代理が派遣されて統治を行いました。各地域の主都は以下の通りです。

ガボン植民地 - リーブルヴィル
中部コンゴ植民地 - ブラザヴィル（総督所在地）
ウバンギ・シャリ植民地 - バンギ
チャド植民地 - フォールラミ（現ンジャメナ）

歴史

第二次世界大戦中、フランス本土の大部分がドイツ軍に占領されると、フランス領赤道アフリカは親ドイツのヴィシー政権に与せず、自由フランスの重要な拠点となりました。これは、隣接するフランス領西アフリカがヴィシー政権を支持したのとは対照的でした。

戦後、フランス本国で第四共和政が成立すると、他の植民地と同様に、フランス領赤道アフリカも本国議会に代表を送ることが認められました。住民の政治意識が高まる中、1958年9月には、フランス共同体内の自治共和国となるかどうかの住民投票が実施され、圧倒的多数で承認されました。これにより連邦は解体され、フランス領赤道アフリカは消滅しました。

1959年、旧連邦構成地域は暫定的に中部アフリカ共和国連合を創設し、連携を維持しようとしましたが、結局1960年には各共和国が個別に独立を果たしました。

関連項目

フランス植民地帝国
アルベルト・シュヴァイツァー

フランス領赤道アフリカは、フランスの植民地政策の一環として設立され、その後のアフリカ諸国の独立に大きな影響を与えました。この地域は、多様な文化と資源を有し、その歴史は現代アフリカの複雑な政治状況を理解する上で重要な要素となっています。

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