フランソワ・アシル・バゼーヌ

フランソワ・アシル・バゼーヌについて

フランソワ・アシル・バゼーヌ（1811年2月13日 - 1888年9月23日）は、フランスの著名な軍人であり、特に第二帝政期に名を馳せました。彼はナポレオン3世の下で数多くの戦闘に参加し、勇敢かつ落ち着いた指揮官として知られています。彼の軍歴は異例の昇進を遂げるも、その最後は普仏戦争での不名誉な降伏により共和国政府から戦犯として裁かれるという悲劇に見舞われました。

初期の経歴

バゼーヌはフランスのヴェルサイユに生まれ、父親はエコール・ポリテクニークで地理工学を教える将軍でした。彼自身も若き日に名門校で教育を受け、この将来の軍人としてのキャリアの基盤を築きました。1830年にエコール・ポリテクニークの入試に失敗した後、バゼーヌは1831年に軍に志願し、フランス外人部隊に配属されました。彼の軍歴は速やかに進展し、数回の戦功により昇進を果たします。

外人部隊での戦歴

バゼーヌはフランス外人部隊で多くの戦闘に参加し、特に第一次カルリスタ戦争では顕著な功績を挙げました。彼はこの戦争で多くの困難に直面しながらも、戦闘の際に敵の手から仲間の遺体を取り戻すなどの勇敢な行為が際立ちました。クリミア戦争では活躍し、1854年には旅団長として任命され、功績により少将へと昇格します。バゼーヌはまた、第二次イタリア独立戦争でも重要な役割を果たしました。

メキシコ出兵

1863年、バゼーヌはメキシコ遠征の総司令官に任命され、プエプラを占領した後、メキシコ市に入城します。この役割において彼はさらなる高みに達し、1864年には元帥に昇進します。しかし、メキシコにおける彼の指導には問題が生じ、政府の支援を受けた抵抗勢力に苦しむことになります。1866年には撤退を提案しますが、彼自身の思いとは裏腹に、傀儡政権は維持され続けました。

普仏戦争と降伏

普仏戦争が始まると、バゼーヌはロレーヌ軍の司令官として任命されます。しかし、軍は迅速なプロイセン軍に分断され、数度の戦闘の後、メスに包囲されてしまいます。特にマルス・ラ・トゥールやグラヴロットの戦いはバゼーヌにとっての重要な試練でしたが、彼は敗北し、最終的には落ち延びることができずに降伏せざるを得ませんでした。

戦後処理と余生

降伏後、バゼーヌは共和国政府によって戦犯と見なされ、厳しい処遇を受けます。彼への憎悪は強く、最初は死刑判決を受けましたが、その後、マクマオン大統領の影響で禁固20年に減刑され、結果的には亡命を果たします。贖罪の生活を余儀なくされた彼はスペインに移住し、平穏な余生を送りましたが、最終的には1888年にその生涯を閉じます。

バゼーヌの戦歴は、彼の勇敢さや戦略的判断を持ちながらも、悲劇的な失敗を伴ったものとして後世に記憶されています。大戦の中で彼は複雑な評価を受けていますが、外人部隊の間ではいまだに尊敬の念をもって語られています。

もう一度検索