フランチェスコ・ゴンザーガの肖像

アンドレア・マンテーニャ作『フランチェスコ・ゴンザーガの肖像』

アンドレア・マンテーニャが1460年代に制作した『フランチェスコ・ゴンザーガの肖像』は、イタリア・ルネサンス期の肖像画を代表する作品の一つです。この絵画は、マントヴァ侯爵ルドヴィーコ3世・ゴンザーガの次男であり、17歳で枢機卿に任命されたフランチェスコ・ゴンザーガを描いたものです。現在、ナポリのカポディモンテ美術館に所蔵されています。

作品の背景

ゴンザーガ家は、その権威と富を示すために、マンテーニャに一連の肖像画を依頼しました。これらの肖像画は、外交上の贈り物として、また自らの住居を飾るために用いられました。マンテーニャは1460年にマントヴァの宮廷に移住し、この作品はその初期に制作された肖像画の一つです。この絵画は、15世紀の肖像画の慣例に従い、古代ローマのメダルの肖像を模倣した横顔の胸像として描かれています。この様式は、モデルの威厳と高貴さを際立たせる効果があります。

フランチェスコ・ゴンザーガ

フランチェスコ・ゴンザーガは、マントヴァ侯爵ルドヴィーコ3世の次男として生まれました。17歳という若さで教皇ピウス2世によって枢機卿に任命され、教会内で重要な地位を占めました。彼の肖像画は、権力と地位を示すとともに、ゴンザーガ家の影響力を誇示する役割を担っていました。

作品の特徴

『フランチェスコ・ゴンザーガの肖像』は、マンテーニャの卓越した技術と、ルネサンスの芸術的特徴を体現しています。正確なデッサン、繊細な陰影の表現、そしてモデルの性格を捉えた表現力は、マンテーニャの肖像画の傑出した才能を示しています。特に、横顔の描写は、古代ローマのコインやメダルを思わせ、古典的な美学への関心を反映しています。また、色彩も抑制されており、モデルの表情と内面に焦点を当てています。

参考文献

Pauli, Tatjana (2001). Mantegna. Milan: Leonardo Arte

外部リンク

カポディモンテ美術館公式サイト（イタリア語、英語）

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