フランチェスコ・マリーア1世・デッラ・ローヴェレ

フランチェスコ・マリーア1世・デッラ・ローヴェレは、1490年3月22日にセニガッリアで生まれました。父は教皇軍の傭兵ジョヴァンニ・デッラ・ローヴェレ、母はフェデリーコ・ダ・モンテフェルトロの娘ジョヴァンナです。教皇ユリウス2世は父方の伯父にあたります。

1502年、フランチェスコはチェーザレ・ボルジアによってセニガッリアの支配権を奪われ、母と共にボルジア軍の殺戮から逃れました。1508年、叔父グイドバルドの死後、ウルビーノ公位を継承。伯父ユリウス2世の仲介により、セニガッリアの支配権も回復しました。

1509年、教皇軍司令官に任命されイタリア戦争に参戦。フェラーラ公国やヴェネツィア共和国と戦いました。しかし、1511年のボローニャ征服失敗後、部下に枢機卿を殺害させるなど冷酷な一面を見せ、チェーザレ・ボルジアと比較されるようになりました。1513年にはペーザロ卿となりますが、ユリウス2世の死後、メディチ家出身のレオ10世が教皇になると、ペーザロを奪われ、1516年に破門、ウルビーノを追放されました。その後、ウルビーノ戦争を起こしますが失敗。1521年、レオ10世の死後、ウルビーノ公位に復帰しました。

イタリア戦争中、フランチェスコはロンバルディアでヴェネツィア共和国の将軍として活躍しましたが、新教皇クレメンス7世（メディチ家出身）はデッラ・ローヴェレ家を軽視しました。1527年のローマ略奪では、神聖同盟の最高司令官でありながら不介入を決め込みました。

1520年代後半には、パヴィア征服でヴェネツィア側として戦いました。また、マルケにおける教皇庁の勢力に対抗し、長男グイドバルド2世とマルケの僭主の一族であるジューリア・デ・ヴァラーノとの結婚を成立させました。

1538年、フランチェスコはペーザロで毒殺されました。彼の生涯は、権力闘争と波乱に満ちたものでした。

フランチェスコは1508年にエレオノーラ・ゴンザーガ（マントヴァ侯フランチェスコ2世・ゴンザーガとイザベラ・デステの長女）と結婚し、5人の子をもうけました。

グイドバルド2世（1514年 - 1574年）：ウルビーノ公を継承。
イッポリータ（1525年 - 1561年）：
ジューリア（1527年 - 1563年）：モンテッキオ侯アルフォンソ・デステの妻。チェーザレ・デステの母。
エリザベッタ（1529年 - 1561年）：マッサ＝カッラーラ伯アルベリコ1世・チーボ＝マラスピーナの妻。
* ジューリオ・フェルトリーオ（1533年 - 1578年）：枢機卿。

フランチェスコ・マリーア1世は、軍人としての才能を発揮する一方で、政治的な駆け引きにも長けた人物でした。彼の生涯は、ルネサンス期のイタリアにおける権力闘争の縮図とも言えるでしょう。

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