フランチェスコ・マンフレディーニ

フランチェスコ・マンフレディーニ

フランチェスコ・オノフリオ・マンフレディーニ（Francesco Onofrio Manfredini、1684年6月22日 - 1762年10月6日）は、イタリアの後期バロック時代を代表する作曲家、ヴァイオリニスト、そして教会音楽家です。

トスカーナ地方のピストイアに生まれた彼は、音楽家としての道を歩み始めます。キャリアの初期にはボローニャへ移り、著名なヴァイオリニストであり作曲家でもあったジュゼッペ・トレッリにヴァイオリンの指導を受けました。ボローニャで演奏家として活動を開始し、重要な役職を得るなど、音楽界での地歩を固めていきました。その後、故郷であるピストイアに戻り、聖フィリッポ大聖堂の終身音楽監督という要職に就き、その生涯の多くを故郷での音楽活動に捧げました。

マンフレディーニの作品は、残念ながらそのほとんどが彼の死後に失われたと考えられています。現在に伝わるのは、わずか43曲の出版作品と、ごく少数残された手稿譜のみとなっています。オラトリオのような声楽曲も作曲した記録がありますが、今日演奏されるのは主に器楽曲です。彼の作曲したコンチェルト・グロッソやシンフォニアは、その豊かな創造性や独特な楽想によって高く評価されています。

彼の作品の中で最も広く知られているのは、作品3に含まれる「クリスマス協奏曲」として親しまれている楽曲です。この作品は、特にクリスマス時期の演奏会などで取り上げられる機会が多く、彼の名を現代に伝えています。

また、息子のヴィンチェンツォ・マンフレディーニ（1737-1799）も作曲家、チェンバロ奏者、音楽理論家として活躍しており、マンフレディーニ家の音楽的伝統を受け継ぎました。

主な作品

フランチェスコ・マンフレディーニが遺した、またはその存在が知られている主な作品には以下のようなものがあります。作品の多くは失われたものの、現存する作品や記録から、彼の創作活動の多様性がうかがえます。

オラトリオ：ボローニャで作曲された2作品、ピストイア（1719年-1728年）で作曲された4作品の存在が記録されています。
ヴァイオリン独奏と管弦楽のための協奏曲
12の室内協奏曲 作品1：ヴァイオリン独奏と通奏低音のために書かれ、1704年にボローニャで出版されました。
トリオ・ソナタ：「Corona di dodifice fiori armonico」という曲集に含まれており、1706年にボローニャで出版されました。
12の教会シンフォニア 作品2：2つのヴァイオリン、ヴィオラ、および任意の通奏低音のために書かれ、1709年にボローニャで出版されました。
12の協奏曲 作品3：1718年にボローニャで出版された曲集で、特に第12番は「クリスマス協奏曲」として有名です。
6曲のソナタ：2つのヴァイオリンと通奏低音のために書かれ、1764年にロンドンで出版されました。
その他様々な編成のためのコンチェルト
* 音楽理論に関する著作：「調和の法則について（Tractus Regole armoniche）」は、実質的にはオペラ論であり、1775年にヴェネツィアで出版されました。

彼の現存する作品は限られていますが、それらの音楽からは、イタリア後期バロック音楽における彼の重要な位置づけと、失われた作品群への想像力を掻き立てられます。

もう一度検索