フランチェスコ3世・デステ

フランチェスコ3世・デステ（1698年7月2日 - 1780年2月22日）は、モデナ＝レッジョ公として知られています。

生涯

モデナで、リナルド3世・デステと妃カルロッタ・フェリーチタ（ブラウンシュヴァイク＝カレンベルク公ヨハン・フリードリヒの長女）の間に生まれました。彼の治世は、モデナ公国がオーストリア継承戦争に巻き込まれるという困難な時期と重なりました。戦費を捻出するため、フランチェスコ3世はエステンセ美術館の貴重なコレクションを売却せざるを得なくなりました。これは、彼の治世における財政的な苦境を象徴する出来事です。

政治的な手腕においては、フランチェスコ3世は慎重な姿勢を貫きました。しかし、公国の財政はオーストリア全権大使ベルトラム・クリスティアーニに事実上掌握されていました。この状況下で、クリスティアーニの主導により、モデナの都市改造計画や、マッサ、カッラーラ、そして地中海を結ぶ重要な軍道であるヴィア・ヴァンデッリの建設といったインフラ整備が進められました。これらの事業は、モデナ公国の近代化に大きく貢献しました。

家族

1721年、フランチェスコ3世はオルレアン公フィリップ2世の娘シャルロット・アレーと結婚しました。この結婚から9人の子供が生まれました。

1. アルフォンソ（1723年 - 1725年）
2. フランチェスコ・コンスタンティーノ（1724年 - 1725年）
3. マリーア・テレーザ（1726年 - 1754年） - パンティエーヴル公ルイ・ジャン・マリー・ド・ブルボンと結婚
4. エルコレ・リナルド（1727年 - 1803年） - モデナ公を継承
5. マティルデ（1729年 - 1803年）
6. ベアトリーチェ（1731年 - 1736年）
7. マリーア・フォルトゥナータ（1734年 - 1803年） - コンティ公ルイ・フランソワ2世妃
8. ベネデット・フィリッポ（1736年 - 1751年）
9. マリーア・エリザベッタ（1741年 - 1774年）

1761年に最初の妃シャルロット・アレーが亡くなった後、フランチェスコ3世はテレーザ・カステルベルコ、そしてレナータ・テレーザ・ダラッチと、2度の貴賤結婚をしました。これらの再婚は、彼の私生活における変化を示唆しています。

フランチェスコ3世の生涯は、激動の時代における君主としての挑戦と、家庭生活における複雑な側面を併せ持っていました。彼は、モデナ公国を治める中で、財政的な困難に直面しつつも、公国の近代化に貢献しました。また、彼の家族は、ヨーロッパ各地の王侯貴族と密接な関係を築き、当時の国際政治におけるモデナの存在感を示すものでした。

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