フランツ (ポメラニア公)

フランツ (ポメラニア公)

フランツ（1577年3月24日 - 1620年11月27日）は、ポメラニア公国の公族であり、カミエン監督、ビトゥフ知事、そしてシュチェチン公を歴任した人物です。彼の生涯は、領地の統治、防衛強化への試み、そして結婚を通じた外交関係の構築に彩られています。

生涯

フランツは、ポメラニア公ボギスラフ13世とその最初の妃クララ・フォン・ブラウンシュヴァイク＝リューネブルクの次男として生まれました。母方の祖父であるブラウンシュヴァイク＝リューネブルク公フランツにちなんで名付けられました。

幼い頃からカミエン監督の地位に就くことが定められており、1592年にはカミエン監督補佐に任命されました。1602年6月20日、叔父であるカジミール7世の退位後、同年9月15日にカミエン監督に選出されました。

父ボギスラフ13世の死後、兄弟間の合意により、フランツはカミエン監督の職に加え、ビトゥフの統治も引き継ぎました。彼はヨーロッパ各地を旅し、オランダ、フランス、チェコなどを訪問しました。1618年に長兄のシュチェチン公フィリップ2世が亡くなると、フランツはシュチェチン公位を継承し、末弟のウルリヒにカミエン監督の地位とシュチェチネクを譲りました。

1609年、カミエン監督であったフランツは、ザクセン選帝侯クリスティアン1世とゾフィー・フォン・ブランデンブルクの娘ゾフィーとの結婚交渉を開始しました。結婚式は1610年7月にドレスデンで行われ、同年8月26日に指輪の交換が行われ、同年10月13日に妻がビトゥフに到着しました。しかし、この結婚において子供は生まれませんでした。

フランツは公領の防衛を強化しようと試み、軍事委員会を設立し、常設の正規軍を創設しようとしました。当初の計画では、1,500名の騎兵と8,000名の歩兵で構成される軍隊を想定し、シュチェチンに兵器庫を建設することも計画されていました。しかし、この構想は臣民からの批判を招き、国防税の増額に対して反対の声が上がりました。社会的な不満と財政難の結果、フランツは国庫に15万ギルダーの借金を残すこととなりました。

1620年11月27日、フランツはシュチェチンで亡くなりました。彼の遺灰は1621年1月17日に聖オットー教会に埋葬されました。フランツの死後、シュチェチン公領は弟のボギスラフ14世が継承しました。

参考文献

Kozłowski, Kazimierz; Podralski, Jerzy (1985). Gryfici. Książęta Pomorza Zachodniego. Szczecin: Krajowa Agencja Wydawnicza. ISBN 83-03-00530-8.
Rymar, Edward (2005). Rodowód książąt pomorskich. Szczecin: Książnica Pomorska im. Stanisława Staszica. ISBN 83-87879-50-9.
Madsen U.. “Franz. Herzog von Pommern-Stettin”. www.ruegenwalde.com. 2012年4月1日閲覧。
Herrmann Müller (1877). "Franz I.". Allgemeine Deutsche Biographie (ドイツ語). Vol. 7. Leipzig: Duncker & Humblot. pp. 292–293.

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