フランツ・ヨーゼフ・フォン・ホーエンツォレルン＝エムデン

フランツ・ヨーゼフ・フォン・ホーエンツォレルン＝エムデン

フランツ・ヨーゼフ・フォン・ホーエンツォレルン＝エムデン（Franz Joseph von Hohenzollern-Emden, 1891年8月30日 - 1964年4月3日）は、ドイツの貴族、そして第一次世界大戦で活躍した海軍軍人です。

生涯

ホーエンツォレルン侯ヴィルヘルムと、両シチリア王女マリア・テレジアの間の第3子、次男として生まれました。兄フリードリヒとは双子でした。

第一次世界大戦では、帝国海軍所属の海軍中尉として従軍し、軽巡洋艦「エムデン」の魚雷発射管部門に配属されました。「エムデン」がインド洋上のココスの戦いでオーストラリア海軍の軽巡洋艦「シドニー」に撃沈されるまで乗船していました。

戦後、彼を含む「エムデン」の乗組員は、1915年の皇帝勅許状により、姓に「エムデン」を加える栄誉を授けられました。1919年の貴族制廃止後も、「エムデン」を姓の一部として使用し続けることが許可されました。これは、彼らの勇敢な戦いを称える特別な措置でした。

1925年には、「エムデン」乗船時代の回想録を出版し、当時の体験を後世に伝えました。また、ルーマニア王フェルディナンド1世の甥であったことから、ルーマニア海軍の海軍少将の階級も授与されました。

1933年にはナチ親衛隊に入隊（隊員番号27万6691番）、1936年4月1日にはナチ党の正式な党員となりました（党員番号376万5580番）。彼の入党は、旧王侯やカトリック貴族層のナチ党に対する評価を高める一因となりました。1939年から1944年まで、クックスハーフェンの海軍基地の高射砲中隊の指揮官を務め、1944年6月に職務を退きました。

しかし、1944年11月、ドイツの敗色が濃厚となる中で、他の旧王侯貴族と同様にナチ党への忠誠心を疑われ、親衛隊から除名されました。1945年1月3日、親衛隊の最高指導者ハインリヒ・ヒムラーに手紙を送り、ナチ党への変わらぬ忠誠を訴え、親衛隊への復帰を請願しましたが、受け入れられませんでした。

結婚と子女

1921年5月25日、ジビレノルトで、元ザクセン王フリードリヒ・アウグスト3世の次女アリックスと結婚しました。彼女は兄フリードリヒの妻マルガレーテの妹でした。夫妻はヘヒンゲンのヴィラ・オイゲーニアで暮らし、フランツ・ヨーゼフの死後、ジグマリンゲンの救世主教会（Erlöserkirche）の敷地内に葬られました。

2人の間には、以下の4人の子供が生まれました。

カール・アントン・フリードリヒ・ヴィルヘルム・ルートヴィヒ・マリア・マヌエル・ループレヒト・ハインリヒ・ベネディクト・タッシロ（1922年 - 1993年） - 1951年にアレクサンドラ・アフィーフと結婚
マインラート・レオポルト・マリア・フリードリヒ・クリスティアン・フェルディナント・アルベルト（1925年 - 2009年） - 1971年に男爵令嬢エーディナ・フォン・カップ＝ヘアと結婚
マリア・マルガレーテ・アンナ・ヴィクトリア・ルイーゼ・ヨゼフィーネ・マティルデ・テレジア・フォム・キンデ・イェズ（1928年 - 2006年） - 1965年にメクレンブルク公カール・グレゴールと結婚
エマヌエル・ヨーゼフ・マリア・ヴィルヘルム・フェルディナント・ブルクハルト（1929年 - 1999年） - 1968年にザクセン＝ヴァイマル＝アイゼナハ大公女カタリーナと結婚（1985年離婚）

フランツ・ヨーゼフ・フォン・ホーエンツォレルン＝エムデンの生涯は、ドイツ帝国の崩壊、第一次世界大戦、そしてナチス・ドイツの台頭という、激動の時代を反映したものでした。

もう一度検索