フリオ・グロンドーナ

フリオ・ウンベルト・グロンドーナ：アルゼンチンサッカー界の巨星

フリオ・ウンベルト・グロンドーナ（Julio Humberto Grondona, 1931年9月18日 - 2014年7月30日）は、アルゼンチンのサッカー界において、非常に大きな影響力を持った人物です。彼は、アルゼンチンサッカー協会の会長を長年にわたり務め、また国際サッカー連盟（FIFA）の副会長も務めるなど、世界のサッカー界においても重要な役割を果たしました。

生涯

グロンドーナは、1931年にアルゼンチンで生まれました。彼のサッカーへの情熱は早くから芽生え、1956年には自らクラブを設立します。それが、ブエノスアイレス州アベジャネーダに設立されたアルセナルFCです。クラブの色は、当時アベジャネーダで人気だったラシン・クルブとCAインデペンディエンテの色を組み合わせたものでした。

アルセナルFCとCAインデペンディエンテでの活躍

グロンドーナは、アルセナルFCの会長を約20年務めました。その傍ら、隣接するクラブ、CAインデペンディエンテでも役員を務め、1962年にはプロサッカー委員会の委員長に選出されます。インデペンディエンテでは、チームは数々のタイトルを獲得し、黄金時代を築きました。

1976年、グロンドーナはCAインデペンディエンテの会長に復帰します。彼のリーダーシップの下、クラブは1977年と1978年にカンペオナート・ナシオナルで優勝を果たしました。

アルゼンチンサッカー協会会長として

1979年、グロンドーナはアルゼンチンサッカー協会の会長に就任します。彼の会長在任中、アルゼンチン代表は1986年メキシコW杯で優勝、1990年イタリアW杯で準優勝という輝かしい成績を収めました。また、オリンピックサッカー競技でも、アトランタで銀メダル、アテネと北京で金メダルを獲得するなど、数々の成功を収めました。

さらに、FIFA U-20ワールドカップでは、6回の優勝を経験するなど、育成年代においてもアルゼンチンサッカーの強さを示しました。

物議を醸した発言

グロンドーナは、その率直な物言いから、時に物議を醸すこともありました。2003年には、サッカー審判員の審判基準に関する質問に対し、ユダヤ人に対する偏見とも取れる発言を行い、批判を浴びました。また、2018年と2022年のFIFAワールドカップ開催地決定投票に関するインタビューでは、フォークランド諸島問題を絡めた発言を行い、議論を呼びました。

死去

グロンドーナは、2014年7月30日に大動脈瘤のため82歳で亡くなりました。2015年限りでアルゼンチンサッカー協会会長を退任する予定でしたが、その前に生涯を終えることとなりました。

遺産

フリオ・ウンベルト・グロンドーナは、アルゼンチンサッカー界において、その功績と影響力から、特別な存在として記憶されています。彼が設立したアルセナルFC、そして長年会長を務めたアルゼンチンサッカー協会は、彼の遺産として、今後もアルゼンチンサッカーの発展に貢献していくことでしょう。

彼が手がけたエスタディオ・フリオ・ウンベルト・グロンドーナは彼の功績を称え、彼の名前が付けられています。

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