フリオ・セサル・メンデス・モンテネグロ

フリオ・セサル・メンデス・モンテネグロ（1915年11月23日 - 1996年4月30日）は、グアテマラの政治家であり、1966年から1970年まで同国の大統領を務めました。グアテマラが軍事政権下にあった時代において、唯一の民間人出身の大統領でしたが、政治の実権は軍が掌握しており、彼の任期中にグアテマラ内戦は激化の一途をたどりました。

生涯と政治 करियर

メンデスはグアテマラシティで生まれ、法学の学位を取得後、サン・カルロス大学で教鞭を執り、後に法学部長を務めました。1944年のグアテマラ革命によってフアン・ホセ・アレバロ政権が成立すると、メンデスは行政副大臣、外交副大臣、大統領府長官といった要職を歴任しました。また、グアテマラ弁護士会の会長も務めました。

1954年にCIAが計画したクーデターによってグアテマラ革命が終焉を迎えた後、1958年の大統領選挙に左派の革命党(PR)から出馬しましたが、落選しました。しかし、1966年の大統領選挙で再び革命党から出馬し、与党の制度的民主党(PID)や右派の国民解放運動(MLN)の候補を破って当選を果たし、7月1日に大統領に就任しました。もっとも、大統領就任にあたって、メンデスは軍の行動に介入しないように制約が課せられており、大統領はお飾りに過ぎず、実権は軍が握っているという状況でした。

大統領としての苦悩

メンデスの任期中、彼は右派のテロと左派のゲリラ活動という二重の脅威に晒されました。ゲリラ側が官僚や政治家を誘拐する一方で、軍は市民によるゲリラ支援を阻止するために農民を大量に殺害し、マノ・ブランカのような死の部隊を暗躍させました。メンデスは暴力、暗殺、誘拐を阻止しようと尽力しましたが、大きな成果を上げることはできませんでした。

ゲリラは北東部のサカパ県およびイサバル県において、警察や軍を襲撃するようになりました。アムネスティ・インターナショナルによると、1966年10月にサカパ県とイサバル県で大規模なゲリラ弾圧が開始され、1968年3月までに3,000人から8,000人が殺害されたと報告されています。

1968年8月には、武装反乱軍(FAR)のゲリラがグアテマラシティでアメリカ合衆国大使のジョン・ゴードン・メインを誘拐・射殺するという事件が発生しました。

功績と晩年

なお、現在のグアテマラの国旗は、メンデスが大統領を務めていた時代の1968年9月に制定されたものです。1970年7月1日に軍人出身のカルロス・アラナ・オソリオが大統領に就任すると、メンデスはメキシコ大使を務めました。1996年にグアテマラシティで亡くなりました。

メンデスの大統領時代は、グアテマラ内戦が激化した時期であり、彼は軍部の制約を受けながらも、暴力の抑止に努めました。彼の功績と苦悩は、グアテマラ現代史において重要な位置を占めています。

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