フリクション (バンド)

フリクション（Friction）

フリクションは、日本のパンク・ロックバンドであり、1970年代後半の東京ロッカーズムーブメントの中心的な存在です。結成当初から現在に至るまで、メンバーの交代や休止期間を経て活動を続けています。バンドの核となるメンバーはレックを含む何人かで構成されています。

来歴

結成まで

1971年頃、音楽の枠を超えたマルチ・アート集団「○△□（まるさんかくしかく）」が活動を開始し、レックやチコ・ヒゲも参加していました。この集団は即興演奏を中心にアバンギャルドな音楽を追求し、1973年にはアルバム「○△□」が限定盤としてリリースされました。

1975年にはレック（当時ギター）、チコ・ヒゲ（ドラムス）、そしてヒゴ・ヒロシ（ベース）という3人で新たなアルバム「3/3」を10枚だけ制作しました。その後、レックはニューヨークに渡り、ノー・ウェイヴ・ムーブメントを体験します。ここで、彼はコントーションズやティーンエイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークスといったバンドに参加しました。

結成とメンバーの変遷

1978年、日本に帰国したレック（ベース）、チコ・ヒゲ（ドラムス）、元ブロンクスのラピス（ギター）との3人で「フリクション」を結成しました。活動は貸スタジオ「S-KENスタジオ」を拠点にし、他のバンドとともに「東京ロッカーズ」という名でライブを行いました。同年11月にはラピスが脱退し、元はぐれ雲のツネマツマサトシが加入します。

1979年にオムニバスアルバム『東京ROCKERS』に2曲を提供し、1stシングル「Crazy Dream」をリリースしました。1980年には坂本龍一のプロデュースにより、1stアルバム『軋轢』でメジャーデビューを果たします。

その後もメンバーの変わり目が訪れ、1981年には茂木恵美子とScher-Z Harunaが加入。1982年には2ndアルバム『Skin Deep』、1985年には『Live at 'Ex Mattatoio' in Roma』というライブアルバムを発表しました。

1986年には再びメンバーが交代し、1988年にはジョン・ゾーンをゲストに迎えた3rdアルバム『Replicant Walk』をリリースしました。1989年にはラピスが再加入し、2名のギタリスト体制となり、渋谷クラブ・クアトロでのライブを収録したビデオ『Dumb Numb Video』をリリースしました。

活動休止と再始動

1996年後半のライブを最後に活動を休止しましたが、2006年にはレックと中村達也の2人編成でバンドを再始動。2007年にはライジング・サン・ロックフェスティバルに出演し、翌年にはフジロックフェスティバルでも演奏しました。

休止期間中にリリースされた作品には、初のベスト・アルバム『Maniacs』やミニ・アルバム『Deepers』、ライブアルバム『2013-Live Friction』などがあります。2018年には渋谷のCLUB QUATTRO30周年記念ライブに出演し、6年ぶりにステージに立ちました。

メンバー

フリクションのメンバーは度々変遷しており、代表的なメンバーとしてレック、チコ・ヒゲ、ラピス、ツネマツマサトシ、茂木恵美子、Scher-Z Harunaなどがいます。各メンバーはフリクションの他にも様々なプロジェクトやバンドで活躍しており、それぞれの音楽的な影響力を持っています。

ディスコグラフィー

フリクションの主なアルバムは以下です：

• - 「軋轢」（1980）
• - 「ed '79 Live」（1980）
• - 「Skin Deep」（1982）
• - 「Live at 'Ex Mattatoio' in Roma」（1985）
• - 「Replicant Walk」（1988）
• - 「Zone Tripper」（1995）
• - 「Maniacs」（2007）

また、シングルやリミックスアルバムも多数リリースされており、オムニバス作品にも参加しています。

逸話

フリクションのメンバーは、結成前から他の重要な音楽シーンに関与しており、特にレックとチコ・ヒゲはティーンエイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークスやコントーションズに参加していた経歴があります。これらの経験が、フリクションの音楽スタイルにも影響を与えています。メンバーそれぞれが他のプロジェクトへも参加し、多くの音楽シーンでの活動が見受けられます。

以上がフリクションの歴史と活動の概要です。このバンドは、日本のパンク・ロックにおいて重要な役割を果たしており、今なおその影響力を持ち続けています。

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