フリスティヤン・ミツコスキ

フリスティヤン・ミツコスキ：北マケドニアの首相

フリスティヤン・ミツコスキ（Христијан Мицкоски、Hristijan Mickoski 、1977年9月23日 - ）は、北マケドニアの政治家であり、現在、同国第14代首相を務めています。彼は、内部マケドニア革命組織・マケドニア国家統一民主党（VMRO-DPMNE）の党首でもあります。

来歴

ミツコスキは1977年9月29日にスコピエで生まれました。聖キリル・メトディウス大学で機械工学の博士号を取得後、母校で機械工学部の教授として教鞭を執っていました。2011年には、ウィーン工科大学の客員教授に就任し、国際的な教育経験も積んでいます。

政界に進出する前は、エネルギー分野での経験も豊富です。2016年から2017年まで、国営電力会社の傘下にある北マケドニア発電所の所長を務めました。また、2015年から2017年まで、当時のニコラ・グルエフスキ首相とエミル・ディミトリエフ首相のエネルギー政策担当顧問を務めています。

2017年12月23日、ニコラ・グルエフスキの辞任後、ヴァランドヴォで開催されたVMRO-DPMNEの第16回党大会で党首に選出されました。しかし、彼の過去の言動や政治的立場については、一部で議論があります。例えば、学生時代にはVMRO-DPMNEを批判していた時期があり、同党との間に軋轢があったとされています。また、リュブチョ・ゲオルギエフスキ元副大統領が2016年に初めて党員として姿を現したという経緯もあります。

ミツコスキの親EUおよび親NATOの姿勢については、一部の政治評論家から懐疑的な見方も出ています。彼は、マケドニア名称論争の元凶とされるギリシャとのプレスパ合意を破棄すると発言しており、その外交政策の方向性が注目されています。2022年9月には、ブルガリアと北マケドニアの友好条約の破棄に向けた国民投票を提案するなど、近隣諸国との関係においても強硬な姿勢を見せています。

また、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相やセルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領など、権威主義的な指導者との親交が深いことも指摘されています。

首相として

2024年の北マケドニア議会選挙で、VMRO-DPMNEを含む連立与党が議席の過半数を獲得し、ミツコスキは勝利を収めました。同年6月6日には、ゴルダナ・シリヤノフスカ＝ダフコバ大統領から新政府の組閣を命じられました。彼の内閣には、ロシアやセルビアと関係の深い人物が閣僚に指名されており、その人選も議論を呼んでいます。6月23日には、北マケドニア議会でミツコスキの首相就任が承認され、ミツコスキ内閣が正式に発足しました。

就任後の2024年7月、ワシントンで開催されたNATOサミットで、ミツコスキはハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相と会談し、両国間の協力関係を強化するための経済協定を締結したことを明らかにしました。この協定は、ハンガリーが北マケドニアに多額の金融信用を供与することを目的としています。

フリスティヤン・ミツコスキの首相としての手腕、そして北マケドニアの今後の動向から目が離せません。

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