フリップ・ソーンダーズ

フィリップ・"フリップ"・ソーンダース（Phillip "Flip" Saunders、1955年2月23日 - 2015年10月25日）は、アメリカ合衆国オハイオ州出身のバスケットボール指導者であり、その手腕で多くのチームを成功に導きました。彼は亡くなる直前まで、NBAのミネソタ・ティンバーウルブズで球団社長、一部オーナー、そしてヘッドコーチという重要な役割を担っていました。

ソーンダースは、デトロイト・ピストンズやワシントン・ウィザーズでもヘッドコーチを務め、その卓越した指導力は高く評価されました。2004年と2006年には、NBAオールスターゲームのヘッドコーチにも選ばれ、その名声を確固たるものとしました。彼の息子であるライアン・サンダースもまた、バスケットボール界で活躍しています。

ミネソタ大学を1977年に卒業後、ソーンダースはカレッジでコーチとしてのキャリアをスタートさせました。10年以上の経験を積んだ後、CBA（コンチネンタル・バスケットボール・アソシエーション）でプロのキャリアを歩み始めました。

NBAでの足跡

ミネソタ・ティンバーウルブズ

1995年3月11日、ソーンダースはかつてのチームメートであるケビン・マクヘイルに招かれ、ミネソタ・ティンバーウルブズのGM（ゼネラルマネージャー）に就任しました。同時に、ビル・ブレアーの後任として1995-1996シーズンのヘッドコーチも兼任することになりました。ケビン・ガーネットを擁したウルヴスを2005年まで指揮し、8年連続でプレーオフ進出を果たしましたが、セミファイナル突破が最高成績でした。2005年シーズン途中で解雇されました。
デトロイト・ピストンズ

2005-2006シーズンからは、前々シーズンにチャンピオンとなり、前シーズンにはファイナルでサンアントニオ・スパーズに敗れたデトロイト・ピストンズのヘッドコーチに、名将ラリー・ブラウンの後任として就任しました。ソーンダースはチームを3年連続でカンファレンスファイナルに進出させましたが、いずれも敗退。ピストンズはその後、衰退期に入っていきました。2008シーズン終了後、解雇されました。
ワシントン・ウィザーズ

2009年4月14日、ソーンダースはワシントン・ウィザーズと4年1800万ドルの契約を結び、ヘッドコーチに就任しました。しかし、3年連続でプレーオフ進出を逃し、2011年シーズン開始から17試合後に解雇されました。ウィザーズでの通算戦績は51勝130敗でした。
ミネソタ・ティンバーウルブズへの復帰

2013年5月3日、ソーンダースはミネソタ・ティンバーウルブズの球団社長に再び就任し、2014年6月5日にはヘッドコーチにも復帰しました。しかし、2015年6月にホジキンリンパ腫と診断され、球団は8月に病名を公表しました。当初は「治療可能な状態」と診断されていましたが、残念ながら2015年10月25日に逝去されました。

ソーンダースのヘッドコーチとしての通算成績は、レギュラーシーズンで654勝594敗、プレーオフで47勝51敗でした。彼の情熱とリーダーシップは、多くの選手やコーチに影響を与え、バスケットボール界に大きな足跡を残しました。

フリップ・ソーンダーズ--nba.com profile （英語）
フリップ・ソーンダーズ--basketball-reference.com（英語）

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