フリージアの雨

荻野目洋子 セカンドアルバム『フリージアの雨』：瑞々しい感性と多彩な楽曲が織りなす名盤

1985年、日本の音楽シーンに新たな息吹を吹き込んだ荻野目洋子のセカンドアルバム『フリージアの雨』。このアルバムは、彼女の魅力を多角的に表現した作品として高く評価されています。

発売されたのは1985年3月5日、ビクター音楽産業からLP、カセットテープ、CDの3形態でリリースされました。オリジナルアルバムには、アルバムタイトルと同名楽曲を含む全10曲が収録されており、聴く者を様々な情景へと誘います。

注目すべきは、楽曲の多様性です。軽快なポップスから、しっとりと心に響くバラードまで、幅広いジャンルの楽曲が収録されており、荻野目洋子の表現力の高さを示しています。作詞には松本隆、三浦徳子など、日本の音楽史に名を刻む豪華な面々が参加。作曲も、船山基紀、井上大輔、坂本龍一など、実力派アーティストが名を連ねています。編曲も入江純、船山基紀、萩田光雄といった、当時第一線で活躍した面々が担当し、楽曲全体のクオリティを高めています。

収録されている楽曲は、彼女の歌声をより一層際立たせています。伸びやかで力強い歌声、そして繊細で感情豊かな表現は、聴く者の心を深く揺さぶります。特に、アルバムタイトル曲である『フリージアの雨』は、その美しいメロディーと切ない歌詞が、多くのリスナーの共感を呼びました。また、シングルカットされた『無国籍ロマンス』も収録されており、このアルバムが彼女のキャリアにおける重要な転換点となったことを示しています。

さらに、このアルバムには、3rdシングル『ディセンバー・メモリー』のB面曲『雨とジャスミン』、そして4thシングル『無国籍ロマンス』も収録されています。これらの楽曲は、アルバム全体の統一感を高めるとともに、荻野目洋子の音楽的広がりを示しています。

2010年には、デビュー25周年を記念して再発盤『フリージアの雨 [+2]』がリリースされました。オリジナル10曲に加え、シングル曲『ディセンバー・メモリー』と『たそがれエンジェル』の2曲がボーナストラックとして追加収録され、より充実した内容となっています。この再発盤は、長年にわたって愛され続けている『フリージアの雨』の価値を改めて証明するものです。

『フリージアの雨』は、単なるアルバムではなく、1980年代後半の音楽シーンを彩った重要な作品の一つです。荻野目洋子の瑞々しい感性と、豪華な制作陣による楽曲のクオリティの高さ、そして時代を超えて愛される普遍的な魅力が詰まった名盤として、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。

収録楽曲一覧（オリジナル盤）

SIDE A
1. 入江に帰るヨットのように (作詞：安藤聖己／作曲：古本鉄也／編曲：入江純)
2. フリージアの雨 (作詞：松本隆／作曲・編曲：船山基紀)
3. 無国籍ロマンス (作詞：岡田冨美子／作曲：坂本龍一／編曲：入江純)
4. 想い出のジューク・ボックス (作詞：神田ヒロミ／作曲：井上大輔／編曲：船山基紀)
5. マイ キャサリン (作詞：三浦徳子／作曲：田中弥生／編曲：萩田光雄)
SIDE B
6. Bの噂 (作詞：三浦徳子／作曲：後藤次利／編曲：入江純)
7. 彼と彼女とひこうき雲 (作詞：三浦徳子／作曲：井上大輔／編曲：船山基紀)
8. ポインセチアの想い (作詞：松宮恭子／作曲：田中弥生／編曲：入江純)
9. 雨とジャスミン (作詞：三浦徳子／作曲：井上大輔／編曲：萩田光雄)
10. 雨のメモリー (作詞：岡田冨美子／作曲：馬飼野康二／編曲：入江純)

収録楽曲一覧（フリージアの雨 [+2]）
上記に加え、ボーナストラックとして以下の2曲が収録
11. ディセンバー・メモリー (作詞：三浦徳子／作曲：井上大輔／編曲：船山基紀)
12. たそがれエンジェル (作詞：神田ヒロミ／作曲：島津行良／編曲：萩田光雄)

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