フリースケーティング

フリースケーティングについて

フリースケーティング（Free skating）は、フィギュアスケートにおける男子シングル、女子シングル、ペアにおいて行われる演技種目です。この競技はショートプログラム（SP）の後に行われ、略してFSとも呼ばれています。また、この競技は一般的にロングプログラムとも称されることがありますが、ここでいう「フリー」という用語は特にフリースタイルを意味するものではありません。

フリースケーティングの歴史

フリースケーティングは、フィギュアスケート競技の初期から存在しており、コンパルソリーフィギュアと共に実施されてきました。正式にショートプログラムが導入された1972-1973年シーズン以降、フリースケーティングは「フリー」の名の通り、演技要素に対する制限がない自由な演技として評価されています。

1982年に行われた世界フィギュアスケート選手権の女子シングルでエレイン・ザヤックが優勝したことをきっかけに、1982-1983年シーズンより「ウェルバランスプログラム」という新しい概念が導入されました。このウェルバランスプログラムは、ジャンプやリフトなどの要素に対して一定の制限を設けたものであり、現在のフリースケーティングにおいても重要な役割を果たしています。

特に、ジャンプに関しては、このウェルバランスプログラムにはいわゆるザヤックルールが適用され、同一プログラム内で3回転以上のジャンプを2回行う際には種類に制限が課されます。この規則により、演技者は多様な技術を駆使しつつも、特定の制約内での表現を求められることになります。

国際スケート連盟（ISU）によるルール

フリースケーティングの演技に関しては、国際スケート連盟によって詳細な規定が設けられています。演技時間に関しては、男子と女子シングルは4分、±10秒の範囲で、ペアは4分30秒までとなっています。また、使用する楽曲については、選曲が自由であり、歌詞のある楽曲を使用することも許可されています。

シングルにおける演技要素

男子・女子シングルでは、以下の12種類の要素を含める必要があります。

- ジャンプ要素: 合計7つまでのジャンプを行う必要があり、必ず1回はアクセルジャンプを含めます。
- スピン: 最大で3つのスピンを行います。
- ステップシークエンス: ステップシークエンスを行います。
- コレオシークエンス: コレオシークエンスも行い、演技全体を通じて流れを重視します。

さらに、コンビネーションジャンプは最長3回まで許可されており、3連続のコンビネーションジャンプに関しては、前述した3回のうち1回のみ認められます。

ペアにおける演技要素

ペア競技では、11の要素を実施する必要があります。

- リフト: 最大3つのリフトを行います。
- ツイストリフト: 指定されたツイストリフトも含まれます。
- 異なるスロージャンプ: 2つまでの異なるスロージャンプを実施します。
- ソロジャンプ: 個別のジャンプも行います。
- ジャンプコンビネーションまたはジャンプシークエンス: どちらか一つを選んで実施します。
- ソロスピンとペアスピン: これらのスピンも必須です。
- デススパイラル: ペアならではの技術的な要素です。
- コレオシークエンス: 演技全体の流れを構成する要素です。

フリースケーティングは、演技者の技術力や創造性が大きく試される競技であり、観客に深い感動を与える魅力的なスポーツです。

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