フリースタイルダンジョン

フリースタイルダンジョン（FSD）

『フリースタイルダンジョン』（FREESTYLE DUNGEON; FSD）は、テレビ朝日で放送されていたバラエティ番組で、2015年9月30日から2020年7月1日にかけて、毎週水曜日の深夜に放送されていました。番組は、インターネットテレビ局AbemaTVでも配信され、多くの視聴者を魅了しました。

番組の概要

この番組では、即興ラップバトルが行われ、チャレンジャーたちが「モンスター」と呼ばれる強豪ラッパーと対決します。目指すは勝ち抜き方式での賞金獲得というシンプルなルールです。「ダンジョン」というタイトルには、RPG（ロールプレイングゲーム）の要素が織り交ぜられており、モンスターとの戦いを通じて成長するストーリーが描かれています。バトルの後半では、ゲストラッパーのライブも楽しめるようになっていました。

番組開始時の収録場所は、有楽町にあったCLUB DIANAであり、その後新木場のSTUDIO COASTに移転しました。一般観覧も可能で、収録自体は約3〜4時間かかり、1ヶ月分の放送をまとめて撮影されました。

テロップとコンプライアンス

フリースタイルのバトル中には、その歌詞が全てテロップとして表示されるという特徴があります。歌詞は収録後にスタッフが文字に起こし、生出演者の確認を受けて放送されます。このテロップは、言葉がマイクを通じて発信されるような表現に工夫されており、視聴者にとって理解しやすい内容となっています。しかし、「コンプライアンス」に抵触する発言があった場合、その部分の音声はカットされ、代わりに「コンプラ」という表示がされる仕組みになっています。この「コンプラ」表示は、出演者が慎重に発言する必要がなくなるメリットがあります。

番組の発足

この番組は、2015年に放送された『BAZOOKA!!!』の「高校生RAP選手権」から着想を得て生まれました。サイバーエージェントの藤田晋がMCバトルに興味を持ち、Zeebraに企画を持ちかけたことがきっかけでした。ここから、『フリースタイルダンジョン』の原案が作成され、本格的なミーティングが行われることになります。結果的に、チャレンジャーがモンスターを倒すという形の番組が誕生しました。

番組の終焉

2020年4月13日からは、新型コロナウイルスの影響により無観客での収録が続きました。その後、2020年6月に番組の終了が発表され、同年6月30日の放送をもって幕を閉じました。番組の継続が難しくなった背後には、出演者の不祥事もありました。そのため、番組制作に携わった全ての関係者への感謝を忘れないとZeebraは述べています。

バトルのルール

バトルは、基本的に3ラウンドで行われ、2ラウンド先取で勝利となります。審査の結果が全審査員一致の場合は「クリティカルヒット」となり、その時点で勝者が決まる仕組みです。チャレンジャーは相手とのマッチアップを選ぶ権利はありませんが、全ラウンドの先攻・後攻を選択可能です。勝利したチャレンジャーには賞金が授与され、次のモンスターとの対戦に挑む権利が与えられます。

このように、『フリースタイルダンジョン』は、ラップという文化を広げる重要な媒体となり、多くのラッパーたちやファンから長年支持を受けました。

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