フルフラット

フルフラット：日本調教馬初のサウジアラビア制覇から引退へ

2017年3月27日生まれの競走馬、フルフラット。その名を競馬史に刻んだのは、2020年のサウジアラビアロイヤルカップでの勝利だ。日本調教馬として初めてサウジアラビアの競馬を制覇するという快挙を成し遂げたフルフラットの競走生活を振り返ってみよう。

2019年7月、中京競馬場でのデビュー戦は8着と結果を残せなかったものの、続く8月小倉競馬場での未勝利戦で初勝利を飾る。その後、京都競馬場のもみじステークスで5着に入るなど、着実に力をつけていった。同時期には、同じ厩舎、同じ馬主のマテラスカイの帯同馬としてアメリカ遠征も経験。ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルではスタートで出遅れるも5着と健闘を見せた。

2020年、3歳初戦は1勝クラスで2着。そして、再びマテラスカイと共にサウジアラビアへ。迎えたサウジアラビアロイヤルカップでは、外枠から好スタートを切り、3番手につける。最終コーナーでは早々と先頭に立ち、後続を突き放して圧勝。この勝利は、サウジアラビアにおける国際交流競走の創設にとって大きな意味を持つものとなった。日本調教馬として初の快挙達成である。

しかし、栄光の瞬間は長くは続かなかった。2020年7月のジャパンダートダービーで12着に終わった後、左前脚の骨折が判明。手術を受け、長期の休養を余儀なくされる。復帰は2022年3月、ドバイ・メイダン競馬場のゴドルフィンマイルだったが、14着と結果を残せず、これが現役最終戦となった。

その後、長期休養を経て、2023年10月28日付でJRAの競走馬登録を抹消。華々しい活躍とは裏腹に、故障による苦悩を味わった競走生活に幕を閉じた。引退後は、北海道新冠町の白馬牧場で種牡馬として第二のキャリアをスタートさせる。

フルフラットの血統背景にも注目したい。母の半兄には、イギリスのG1競走ジュライカップやナンソープステークスを制し、カルティエ賞最優秀スプリンターにも輝いたストラヴィンスキーがいる。その才能は血統からも裏付けられたものと言えるだろう。

その短い競走生活の中で、フルフラットは多くの感動と記憶を残した。日本調教馬として初のサウジアラビア制覇という偉業は、日本の競馬界に大きな足跡を残したと言えるだろう。種牡馬としての活躍にも期待がかかる。今後の活躍に注目したい。

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