フルーヒウ連隊

フルーヒウ連隊について

フルーヒウ連隊は、17世紀半ばの左岸ウクライナに組織されたコサックの連隊であり、コサック国家における軍事および行政の重要な単位でした。連隊の名称は、その所在地であったフルーヒウ町に由来します。この連隊は、現在のウクライナ北東部に位置していました。

連隊の成立と変遷

1663年、フルーヒウ連隊はニージン連隊のフルーヒウ百人隊を母体として新たに編成されました。しかし、その歴史は長くは続かず、わずか2年後の1665年には再びニージン連隊へと統合されることになります。この短期間の独立は、当時のコサック国家における政治的、軍事的な変動を反映しています。

スコロパードシクィイによる再編の試み

18世紀に入り、コサックのヘーチマンであったイヴァン・スコロパードシクィイは、フルーヒウ連隊の再編成を試みました。彼は、6つの百人隊を基盤として新たな連隊を組織しようとしましたが、ロシア政府からの許可を得ることができず、この計画は実現には至りませんでした。この出来事は、当時のコサック国家がロシア帝国の影響下にあったことを示しています。

連隊区と連隊庁所在地

フルーヒウ連隊は、フルーヒウ連隊区とも呼ばれ、連隊庁は1663年から1665年までフルーヒウ町に置かれていました。この連隊区は、コサック国家における行政区分の一つであり、地域の統治と防衛において重要な役割を果たしていました。

参考文献

伊東孝之, 井内敏夫, 中井和夫編　『ポーランド・ウクライナ・バルト史』 (世界各国史; 20)－東京: 山川出版社, 1998年. ISBN 9784634415003
黒川祐次著　『物語ウクライナの歴史 : ヨーロッパ最後の大国』 (中公新書; 1655)－東京 : 中央公論新社, 2002年. ISBN 4121016556
Заруба В.М. Адміністративно-територіальний устрій та адміністрація Війська Запорозького у 1648-1782 рр. – Дніпропетровськ, 2007.
Горобець В. Історія українського козацтва: нариси у 2 т. – Київ: Києво-Могилянська академія, 2006, Т.1. – Полково-сотенний устрій Гетьманату.
* Gajecky, George. The Cossack Administration of the Hetmanate. 2 vols. Cambridge, Mass., 1978.

もう一度検索