フレッシュマン若大将

映画『フレッシュマン若大将』

『フレッシュマン若大将』（フレッシュマンわかだいしょう）は、日本の人気俳優・加山雄三が主演を務めた映画で、若大将シリーズの第13作目にあたります。1969年1月1日に公開され、舞台は北海道で撮影されました。製作は東宝が担当し、同時上映された作品には『クレージーのぶちゃむくれ大発見』がありました。

あらすじ

物語は、大学を無事に卒業した田沼雄一（加山雄三）の新たな人生の幕開けから始まります。彼の親友である石山新次郎（田中邦衛）は、単位不足のために留年してしまいました。就職活動を始める若大将は、日東自動車の面接に臨むのですが、思わぬ出来事が待ち受けていました。

面接の日、彼はタクシーに乗り合わせた節子（酒井和歌子）にタクシーを譲ったため、渋滞に巻き込まれ面接に遅刻してしまいます。遅刻の理由を「女性にタクシーを譲った」と説明するも、面接官からは軽蔑の目で見られ、若大将は不採用となってしまいます。しかし、予想外の展開が待っていました。人事担当者である猪俣社長（藤田進）が、彼の遅刻理由に感銘を受け、独断で彼の採用を決定します。

その後、若大将は江口（江原達怡）と照子（中真千子）の結婚式に参加し、友人たちと共に葉山への小旅行を計画します。しかし、そこには新たなトラブルが待っていました。若大将の配属先は営業部となり、かつての親友である青大将と再びコンビを組むことになったのです。そして若大将は、自動車整備士としての資格を取得し、新たな挑戦に臨むことになります。

若大将の初仕事は、北海道の大手取引先である竹内モータースの社長を接待することでしたが、竹内社長と面識のない若大将は、ライバル会社に先を越されるという失態を犯してしまいます。特に、新車のトラブルが続発し、竹内社長から取引を打ち切りたいとの連絡が入ったことから、事態はさらに深刻化していきます。

感情の葛藤

また、一方では新婚の江口と照子の生活が始まる中、曾祖父である久太郎（有島一郎）は、家の外に夜な夜な出かけるようになり、スナック「ジャッキー」のママ・めぐみ（草笛光子）に心を寄せ始めます。この新たな恋に対して周囲からの反発がある中、久太郎はめぐみとの関係をどのように築いていくのか、葛藤が生まれます。

ロケ地と音楽

視覚的にも楽しませてくれるこの作品は、根津美術館前交差点や旧日産自動車本社ビル、旧羽田空港など、様々なロケーションで撮影されました。音楽部分も重要で、オープニングには「フレッシュマン若大将」が使用され、エンディングには「いい娘だから」といった挿入歌が流れました。誰もが感情移入できる要素を持つこの作品は、加山雄三の魅力が詰まった作品となっています。

『フレッシュマン若大将』は、若者たちの成長や恋愛、友情の葛藤を描いた作品であり、映像表現と音楽の組み合わせから生まれた魅力により、現在も多くのファンに愛され続けています。

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