フレッシュ9時半!キダ・タローです

コンビネーションが光るラジオ番組「フレッシュ9時半!キダ・タローです」

「フレッシュ9時半!キダ・タローです」は、朝日放送ラジオで1973年6月1日から1989年3月31日まで放送された、平日朝の人気ワイド番組です。放送時間は当初9時30分から10時55分まででしたが、1989年4月3日からは9時から11時までの枠に変更され、番組名も『タローの「You☆遊」スタジオ』に改名されました。この番組は、作曲家でありタレントとしても知られるキダ・タローが、毎回異なるゲストを迎え、楽しいトークセッションを展開するものでした。

番組のスタイルと魅力

キダは「浪花のモーツァルト」とも称され、その卓越したトーク力で知られています。番組では、事前に整理された膨大なデータバンクをもとにゲストとの会話を進行させました。ゲストは、エンディングまでスタジオに滞在し続け、キダの独特な進行ぶりに華を添えました。このスタイルにより、周囲のスタッフはゲストの世話やトークの進行に奔走し、時には疲れることもあったと言われています。

もちろん、リスナーに対しては、常にわかりやすく丁寧に話題を伝えたため、話題ごとの時間は長めに設定されることが一般的でした。結果として、同時間帯での聴取率は非常に高く、人気を誇っていたことは間違いありません。

大型中継企画とリスナーの反応

番組では、地方からの大型中継企画も数多く取り入れられ、特に北海道の風蓮湖からの中継は話題となりました。時にはスタジオで効果音を利用した偽装中継を行い、放送終了間際に「今日の中継はうそでした」と明かすこともありました。このような遊び心満載の企画は、リスナーに大変好評を博し、キダ自身の話術を活かしたユーモアあふれる内容となっていました。

番組の進化と変遷

1989年4月からは新たな放送時間に伴い、番組名を『タローの「You☆遊」スタジオ』に変更し、1990年4月6日まで続いました。初のゲストには、1985年2月5日に行われたボクシングでノックアウト負けを喫した赤井英和が登場し、マスコミに出演することになりました。また、笑福亭鶴瓶との「鶴瓶のアホ」「キダ・タローのアホ」の塩梅は、自然な掛け合いとなり、このコンビネーションを通じてキダはさらに独自のスタイルを進化させていきました。

音楽とアシスタント

番組のテーマ曲にはダイナ・ショアの『Dear Hearts And Gentle People』が採用されました。特に印象的な点は、キダが自ら作曲するように勧められたにもかかわらず、「自分には作れない」としてこの曲を選んだところです。以降も多くのアシスタントが番組を支えましたが、初期から1988年まで数名が関与し、それぞれ個性豊かな進行を見せました。

コーナーと特別企画

番組には幅広いコーナーが設けられました。その中には「くらしのダイジェスト」や「テレフォンクイズ」、「スーパー情報」などがあり、またプレゼント企画も特徴的でした。特に1981年には、金曜日に「欲しくてもなかなか手に入らないもの」をプレゼントするコーナーが設けられ、他の日ではキダ自身が選んだ品物を贈呈する「まごころプレゼント」も人気を集めました。

キダ・タローの独特なスタイルと多彩な企画により、「フレッシュ9時半!キダ・タローです」は多くのリスナーに愛される存在となり、放送の終息を迎えた後も、その影響力は今なお感じられる番組でした。

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