フレッド・ウェズリー

フレッド・ウェズリーとは

フレッド・ウェズリー（1943年7月4日生まれ）は、アメリカの著名なジャズ・ファンクのトロンボーン奏者です。彼の音楽キャリアは1960年代から始まり、特にジェームス・ブラウンやパーラメント、ファンカデリックとのコラボレーションで広く知られています。彼のサウンドは、ファンクの魅力を高め、多くのヒット曲に不可欠な要素となりました。

幼少期と音楽的背景

ウェズリーはジョージア州コロンバスで、音楽に情熱を注ぐ父親のもとに生まれ育ちました。父は高校の音楽教師で、ビッグバンドのリーダーでもありました。彼は幼少期からピアノやトランペットを学び、特に12歳の時に父が家に持ち帰ったトロンボーンに魅了され、その後の音楽人生がスタートしました。

ジェームス・ブラウンとの共演

1960年代から1970年代にかけて、ウェズリーはジェームス・ブラウンのバンドでメインのトロンボーン奏者として活躍しました。「Say It Loud – I'm Black and I'm Proud」や「Mother Popcorn」などの名曲に参加し、「Hot Pants」などの楽曲においては共作も手掛けました。彼の滑らかなリフと正確なソロ演奏は、ブラウンのファンク・ミュージックにおいて器楽的な魅力を加え、特にサックス奏者メイシオ・パーカーとのデュオはその代表例です。

リーダーシップと作曲活動

1970年代にはブラウンのバンド「ザ・JBズ」のリーダーと音楽監督に昇進し、多くの楽曲の作曲やアレンジを担当しました。ウェズリーは「Doing It to Death」を録音し、このアルバムは100万枚以上のヒットを記録し、ゴールド・ディスクに認定されました。

ジャズへの転身とアルバム

1975年にブラウンのバンドを離れた後、ウェズリーはジョージ・クリントンのプロジェクトに参加し、サイドプロジェクトである「The Horny Horns」でも2枚のアルバムを制作しました。1978年にはカウント・ベイシー楽団に参加し、本格的にジャズの世界に進出。1988年には初のジャズアルバム『To Someone』を発表し、以降も多くのアルバムを制作しました。特に『New Friends』（1990年）や『Comme Ci Comme Ca』（1991年）などの作品は、彼の多才ぶりを示しています。

教育活動と近年の活動

1990年代初頭には、ブラウン・バンド時代の仲間とともにツアーを行い、徐々に自身のバンド「ザ・フレッド・ウェズリー・グループ」を結成しました。バンドは現在「フレッド・ウェズリー・アンド・ザ・ニュー・JBズ」として活動しています。さらに、2004年から2006年にはノースカロライナ大学のジャズ学部で准教授を務め、多くの教育機関でも訪問アーティストとして学生たちに音楽を教えています。

まとめ

フレッド・ウェズリーは彼のキャリアにおいて多くのアーティストと共演し、サンプリングされるほどの影響力を持つジャズ・ファンクの巨星です。2002年には自伝『Hit Me, Fred: Recollections of a Sideman』を発表し、音楽界でのサイドマンとしての自身の位置づけを明らかにしました。数々のアルバムへの参加と自身のバンドでの活動を通じて、今もなお新たな音楽を創り出し続けています。

もう一度検索