フレッド・マークル

フレッド・マークル：栄光と不運が交錯した野球人生

フレッド・マークル（Carl Frederick Rudolf "Fred" Merkle, 1888年12月20日 - 1956年3月2日）は、20世紀初頭のメジャーリーグで活躍した野球選手です。主に一塁手として、ニューヨーク・ジャイアンツとシカゴ・カブスでプレーしました。右投右打で、アメリカ合衆国ウィスコンシン州ウォータータウン出身です。

選手としてのキャリア

1905年からセミプロチームで投手を務めていたマークルは、1907年にサウスミシガンリーグのテカムセ球団での活躍が認められ、ニューヨーク・ジャイアンツに入団しました。主に一塁手としてプレーし、1年目は15試合、2年目は38試合に出場しました。

「マークルズ・ボナー」

1908年9月23日、ジャイアンツ対カブスの試合で、マークルは一塁手として出場しました。試合は1対1のまま9回裏を迎え、ジャイアンツは2死一塁の場面でマークルがライト線にヒットを放ちました。一塁走者のマコーミックは三塁に進み、次の打者のヒットでホームイン。しかし、この時マークルは二塁を踏まずにベンチへ引き上げてしまいます。この行為をカブスのエバースがアピールし、マークルはフォースアウトと判定され、試合は引き分けとなりました。この一連のプレーは「マークルズ・ボナー」として知られ、彼の名前を球史に刻むこととなりました。

この試合の結果、ジャイアンツとカブスが同率で首位に並んだため、再[[試合]]が行われました。カブスが再[[試合]]に勝利しリーグ優勝、さらにワールドシリーズも制覇しました。

その後の活躍と不運

「マークルズ・ボナー」の翌年、マークルの成績は大きく落ち込みましたが、監督のジョン・マグローは彼を擁護し、起用し続けました。その結果、1910年以降、マークルはジャイアンツのレギュラー一塁手として活躍するようになります。1911年にはリーグ3位となる12本塁打を記録し、最優秀選手投票では7位にランクインしました。

1912年には打率.309、11本塁打、87打点、37盗塁と自己最高の成績を上げましたが、同年のワールドシリーズ第8戦で再び不運に見舞われます。延長10回、マークルのタイムリーヒットでリードしたものの、その裏に味方の守備のミスが重なり、チームは逆転負けを喫しました。この試合後、新聞には「マークルがまたやった」という見出しが踊りました。

ジャイアンツ退団後

重要な試合での失敗や不運により、「ボーンヘッド」という印象を持たれてしまったマークルでしたが、実際はチームメイトから「チームの中で最も利口な男」と評されるほどでした。1913年の年末には、マグロー率いる世界周遊野球チームの一員として来日し、芝区の三田球場で行われたエキシビション・ゲームで場外ホームランを放ちました。

1915年シーズン途中にブルックリンに移籍し、その後シカゴ・カブスにも在籍しました。1918年にはワールドシリーズにも出場しています。1921年からはインターナショナルリーグのロチェスターでプレーし、1924年には22本塁打、打率.351という好成績を残しました。

1925年には、ヤンキースのコーチ兼任選手としてメジャーリーグに復帰しました。ヤンキースで2年間プレーした後、引退。その後はマイナーリーグの監督や、フロリダでルアー製造会社の共同経営者などを務め、1956年にフロリダ州デイトナビーチで亡くなりました。

通算成績と記録

マークルは、ワールドシリーズに5回（1911-1913, 1916, 1918年）出場しました。彼の選手としてのキャリアは、その才能と不運が交錯した興味深いものでした。

外部リンク

Baseball-Reference
Fangraphs
The Baseball Cube
Baseball-Reference (Register)
* Biography (SABR)

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