フレディ・グアリン

フレディ・アレハンドロ・グアリン・バスケス

フレディ・アレハンドロ・グアリン・バスケス（Fredy Alejandro Guarín Vásquez）は、1986年6月30日にコロンビアのボヤカ県プエルト・ボヤカで生まれた元プロサッカー選手です。主にミッドフィールダーとしてプレーし、そのパワフルなプレースタイルと優れた得点能力で知られました。

クラブキャリア

グアリンのプロキャリアは、2004年に母国コロンビアのエンビガドFCで始まりました。その後、2005年にはアルゼンチンの名門ボカ・ジュニアーズへ期限付き移籍し、海外での経験を積みました。翌2006年8月には、フランスのASサンテティエンヌへも期限付きで加入し、欧州への足がかりを築きました。

2008年7月10日、ポルトガルの強豪FCポルトへ完全移籍を果たします。ここでグアリンはキャリアの黄金期を迎えました。特に2010-11シーズンには、アンドレ・ヴィラス・ボアス監督の下でチームの主要メンバーとして躍動。スーペル・リーガ、UEFAヨーロッパリーグ、タッサ・デ・ポルトガルの主要タイトル全てを獲得する三冠達成に大きく貢献しました。UEFAヨーロッパリーグ決勝のSCブラガ戦では、決勝点となるラダメル・ファルカオのゴールをアシストするなど、重要な局面での活躍を見せました。

ポルトでの成功を経て、2012年1月にはイタリア・セリエAのインテルナツィオナーレ・ミラノへ、買い取りオプション付きの期限付き移籍で加入しました。移籍当初は怪我に見舞われ、デビューは4月1日のジェノアCFC戦までずれ込みましたが、シーズンの終盤6試合に出場しました。シーズン終了後、インテルは買い取りオプションを行使し、ポルトに1100万ユーロ（当時のレートで約11億2000万円）を支払い、グアリンを完全移籍で獲得。インテルとの契約は4年間で、年俸は210万ユーロ（約2億1000万円）と報じられました。

インテルでの最初のフルシーズンとなった2012-13シーズンには、UEFAヨーロッパリーグのFCヴァスルイ戦で移籍後初ゴールを記録。セリエAでもサンプドリア戦で初得点を挙げました。特にUEFAヨーロッパリーグのネフチ・バクー戦では、チームの全3得点をアシストする圧巻のパフォーマンスを見せ、勝利に貢献しました。

2013-14シーズンには背番号を14番から13番へ変更。2014年1月には、マンチェスター・ユナイテッドFCやチェルシーFCといったイングランドのクラブ、そしてポルト時代から関心を寄せていたユヴェントスFCへの移籍が取り沙汰されました。ユヴェントスとの交渉は、ミルコ・ヴチニッチとのトレードという形で合意寸前まで進んだものの、インテル会長のエリック・トヒルがファンの猛烈な反発を懸念し、急遽交渉の中断を指示したため破談となりました。

2016年1月27日、グアリンは活躍の場を中国へ移し、中国スーパーリーグの上海緑地申花へ完全移籍しました。ここではチームの中心選手として活躍を続け、2017年6月30日にはクラブとの契約を2年間延長しました。2019年7月16日にクラブを退団するまで、中国スーパーリーグで83試合に出場し23得点21アシスト、AFCチャンピオンズリーグでも5試合出場で1得点1アシストを記録。公式戦通算では100試合に出場し28得点22アシストという顕著な成績を残しました。退団は契約満了前でしたが、双方合意によりフリーとなりました。

上海申花を離れた後、2019年9月27日にはブラジルのCRヴァスコ・ダ・ガマに加入しましたが、翌年9月18日にはクラブとの契約を解除しました。そして2021年1月からは、約17年ぶりに母国コロンビアに戻り、ミジョナリオスFCと契約しました。

しかし、2021年4月には家族への暴行容疑で母国コロンビアで逮捕されるという出来事もありました。

代表キャリア

コロンビア代表としては、2006年5月24日のエクアドル戦で国際Aマッチデビューを飾りました。その後、2005 CONCACAFゴールドカップやコパ・アメリカ2011といった主要な国際大会に出場。特に2014 FIFAワールドカップでは代表メンバーに選出され、世界最高峰の舞台でプレーしました。国際Aマッチ通算では、2006年から2015年にかけて57試合に出場し4得点を記録しています。

プレースタイル

グアリンは、複数のシステムや戦術に対応できる万能型のミッドフィールダーでした。豊富な運動量とフィジカルの強さを活かしたボール奪取に加え、強烈なミドルシュートや正確なパスで攻撃にも貢献できる選手でした。特にパンチ力のあるシュートは彼の大きな武器であり、試合を決定づける得点を何度も記録しました。

獲得タイトル

ボカ・ジュニアーズ
プリメーラ・ディビシオン: 2005-06A, 2005-06C
FCポルト
プリメイラ・リーガ: 2008-09, 2010-11
タッサ・デ・ポルトガル: 2008-09, 2009-10, 2010-11
スーペルタッサ・カンディド・デ・オリベイラ: 2009, 2010
UEFAヨーロッパリーグ: 2010-11
上海申花
* 中国FAカップ: 2017

フレディ・グアリンは、南米、ヨーロッパ、アジアと様々な大陸のクラブでプレーし、多くのタイトルを獲得した実績豊富なミッドフィールダーでした。晩年には私生活でのトラブルが報じられましたが、ピッチ上ではそのダイナミックなプレーで多くのファンを魅了しました。

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