フレデリク5世 (デンマーク王)

フレデリク5世: デンマーク＝ノルウェーの王

フレデリク5世（デンマーク語: Frederik 5.、1723年3月31日 - 1766年1月13日）は、1746年から1766年までデンマーク＝ノルウェーの君主として統治した人物です。彼はクリスチャン6世とソフィー・マグダレーネ王妃の子として誕生し、1746年に王位を継承しました。彼の在位中、デンマークは大きな変化を迎えることになりますが、その背後には彼の個人的な影響力の限界がありました。

若き日と王位継承

ある時期まで王太子であったフレデリクは、1730年に彼の祖父フレデリク4世が亡くなることで王太子の立場となり、16年後に父君クリスチャン6世が死去すると、ついに王としての一歩を踏み出しました。しかし、彼はアルコール依存症に悩まされ、実質的な政策運営はエーダム・ゴトロプ・モルトケやヨハン・ハルトヴィヒ・エルンスト・フォン・ベルンシュトルフ、ハインリヒ・カール・ヴォン・シメルマンといった有能な大臣たちによって担われました。これらの大臣たちは、デンマークを安定した状態に保つために注力し、ロシア帝国とスウェーデンの間で起こった戦争に巻き込まれることなく、七年戦争中も中立を維持しました。

芸術と文化への貢献

フレデリク5世は個人的には芸術に対する興味が薄かったものの、彼の治世中にいくつかの重要な文化施設が設立されました。特に、コペンハーゲン王立劇場と王立デンマーク芸術アカデミーの設立は、後のデンマーク文化に大きな影響を与えました。このような施策は、彼が抑圧的な統治者ではなかったことを物語っています。また、1754年にはデンマーク領西インド諸島をデンマーク西インド会社から購入し、経済的な展開にも寄与することとなりました。

健康と死

1760年、フレデリク5世は足を怪我し、その影響で健康が次第に悪化しました。彼の最期は1766年に訪れ、最期の言葉には「晩年において誰からも攻撃されなかったことが大いなる慰みであり、私の手に一滴の血も落ちなかったことが嬉しかった」と記されています。彼は死後、ロスキレ大聖堂に葬られ、妻ルイーズ王妃の傍に眠っています。

家族と子女

フレデリク5世はイギリスのジョージ2世とキャロライン王妃の娘であるルイーズと結婚しました。彼らの間には5人の子供が生まれましたが、うち1人は幼くして亡くなっています。子供たちにはクリスチャン7世やソフィーエ・マウダレーネ、ヴィルヘルミーネ・カロリーネらがおり、子孫はその後のデンマークの王位継承に重要な役割を果たしました。ルイーズ王妃は1751年に亡くなり、その後フレデリク5世は再婚を果たします。

フレデリク5世の治世は、彼自身の限界を有能な大臣たちが補いながらデンマークを安定した状態に導いた時代でもありました。歴史に名を刻むこととなった彼の行動や影響は、デンマークの文化と政治に今なお影響を与えています。

もう一度検索