デンマーク西インド会社

デンマーク西インド会社：カリブ海とアフリカを結んだ勅許会社

デンマーク西インド会社（デンマーク語: Vestindisk kompagni）は、17世紀から18世紀にかけて存在したデンマークの勅許会社です。カリブ海のデンマーク領西インド諸島（現在の米領ヴァージン諸島）を拠点に、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ大陸を結ぶ三角貿易で大きな役割を果たしました。別名、デンマーク西インド・ギニア会社（Det Vestindisk-Guineisk kompagni）とも呼ばれます。

設立と初期の活動

1659年、デンマーク・アフリカ会社（グルクシュタット・アフリカ会社）として設立されたのが始まりです。設立者は、フィンランド出身のヘンドリック・カーロフ、オランダ人のアイザック・コイマンズとニコラース・パンクラス、ドイツ人商人のヴィンセント・クリンゲンバーグとジェイコブ・デル・ボーでした。ホルシュタインのグルクシュタット（現在のドイツ領）を拠点に、アフリカのデンマーク領黄金海岸（現在のガーナ）との貿易を行いました。

当初はアフリカに年2～3隻の船を派遣していましたが、1674年にデンマーク西インド会社に改称されました。西インド会社は1670年11月20日に組織され、1671年3月11日にクリスチャン5世によって正式に勅許されました。1668年にはサンク・トマス（セント・トーマス島）に入植し、最初の植民地化に成功しました。

三角貿易と会社の隆盛

17世紀後半から18世紀にかけて、同社は北大西洋の三角貿易で繁栄しました。アフリカの黄金海岸から奴隷を西インド諸島に運び、そこで糖蜜やラム酒と交換し、ヨーロッパへと輸送しました。この奴隷貿易によって、会社は莫大な利益を上げました。

1680年8月30日からは西インド・ギニア会社となりました。当初は収益を上げるのに苦労しましたが、増税や植民地からの輸出品をコペンハーゲンに直接持ち込むことで、収益を増加させました。1718年にはセント・ジョン島を購入し、1733年にはセント・クロイ島をフランスから購入しました。

衰退と閉鎖、そして復活

1754年、会社は黄金海岸植民地の管理権を王室に返還しました。デンマーク政府が設置した「歳入庁」が1754年から1760年まで植民地を支配しました。その後、組織が再編され、1760年から1848年まで、植民地政府はVestindisk-guineiske renteog generaltoldkammerとして知られていました。

フレデリク・バルガムは、デンマーク領黄金海岸の植民地との貿易を維持するため、1765年3月18日の王室決議によりDet Guineiskekompagni（ギニア会社）として会社を復活させました。同年11月には、クリスチャンスボーとフレデンスボーの砦を20年間借り受けましたが、オランダ西インド会社のような貿易独占権は与えられませんでした。

財政難のため、会社は1776年11月22日に清算されました。これを見越して、デンマーク＝ノルウェー政府は1775年8月から9月にかけて要塞を再支配しました。バルグムは1774年に債権者から逃れるために国外に去りました。

会社保有船

Charlotte Amelie (1680年代)
Den Unge Tobias (1687年)
Røde Hane (1687年)
Maria (1687年)
Pelicanen
Unity (1700年代)

関連項目

デンマーク東インド会社
17世紀頃に設立されたヨーロッパの勅許会社
* デーン銃

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