フレラバ 〜Friend to Lover〜

『フレラバ 〜Friend to Lover〜』（フレラバ フレンドトゥーラバー）は、SMEEより2013年6月28日に発売されたアダルトゲームです。その後、2015年3月26日には加賀クリエイト、テイジイエル企画を経て、エンターグラムからPlayStation Vita移植版『Friend to Lover 〜フレラバ〜』が発売されました。

概要

本作は、新学年に進級した主人公が、夏までにヒロインと恋愛関係になることを目指す恋愛アドベンチャーゲームです。プレイヤーは多数の選択肢の中から適切な会話を選び、ヒロインとの仲を深めていきます。選択肢は必須ではなく、単調なプレイでも全キャラクターの告白まで進めることができます。また、複数のヒロインの好感度を上げると、別のヒロインが嫉妬するイベントが発生します。

ゲームの流れは、ヒロインごとのエピソードを描く通常ルートから始まり、ヒロインを攻略する通常ルート、告白、そして個別ルートへと進みます。この流れは、『ラブラブル 〜lover able〜』や『らぶでれーしょん!』の流れに近いとされています。スタッフもTwitter上で「位置的にはらぶでれとラブラブルの間に入ります」と発言しています。本作はストーリーよりもキャラクターの魅力を描くことに重点を置いており、ヒロイン以上に個性的なサブキャラクターが登場することも特徴です。

ストーリー

主人公は友達と騒ぐ毎日も楽しいですが、「彼女が欲しい」という願望を抱いています。始業式直後の教室で「彼女を作る！」と宣言します。

登場キャラクター

メインキャラクター

青葉 恭介（あおば きょうすけ）
本作の主人公。名前は変更可能です。
城彩学園に通うごく普通の学生で、母子家庭で育ちました。
彼女が欲しいと思っており、2年生に進級した際に教室で「彼女を作りたい」と宣言します。
勉強は苦手ですが、日雇いバイトで鍛えたため運動は得意です。
リズムゲームが得意で、ハードレベルならパーフェクトクリアできます。

皆原 陽茉莉（みなはら ひまり）
声：東かりん
クラスメイトで、主人公の幼馴染みです。
幼い頃はよく一緒に遊んでいましたが、引っ越しなどを経て疎遠になっていました。進学後に同じクラスになります。
ハムスター愛好家で、5匹のハムスターを飼っています。
映画鑑賞が趣味で、特にホラー映画が好きですが、性的な会話や下ネタは苦手です。
子供の頃から居酒屋によく連れて行かれたため、ホッケや明太子などの肴を好みますが、料理は全くできません。
怒ると怖い一面もあります。
好きな相手の手を甘噛みするという変わった愛情表現をします。

望月 理奈（もちづき りな）
声：あじ秋刀魚
陽茉莉と入れ替わるように仲良くなったクラスメイトの女友達です。
「主人公と恋愛関係になることはありえない」と公言しています。
成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗で人付き合いも上手く、友人関係は良好です。
マンションで一人暮らしをしており、生活能力が高いですが、泳げない、雷が苦手という弱点もあります。
両親は海外で会社を経営しており、娘の誕生日を忘れていることもあります。
ゲーム全般が得意で、特に音楽ゲームは全国大会に出場するほどの腕前です。

柊 ゆずゆ（ひいらぎ ゆずゆ）
声：秋野花
クラスメイトで、席が隣の女子です。
気性が荒く、他人を突き放す態度をとるため、クラスで孤立しています。
過去の経験から粗暴な態度をとっていますが、本来は優しい性格です。
ポメラニアンのシャルロットを飼っており、主人公に「ポメ太郎」と呼ばれるのを嫌います。
水泳が得意で全国大会レベルの記録を持っていますが、公式大会には興味がありません。
海や川が苦手で、肌が綺麗でモチモチしています。
家事全般が得意で、弟の面倒を見ています。

沢渡 岬（さわたり みさき）
声：水邑琴音
1つ年上の先輩で、上級生の間では特別視されています。
様々な噂がありますが、実際は八百屋の娘で少し口下手で物静かな女性です。
親衛隊のような人がおり、友達がいないため「友達」という関係に憧れを抱いています。
主人公のボケに対してボケ返すなど、意外とノリが良い一面も持っています。
実は匂いフェチで、主人公の匂いのついた物を集めるのが趣味です。
他のキャラクターとは異なり、ゲーム開始時は知り合いではなく、登場回数も限られています。
初登場時は後ろ姿しか見えず、その後条件を満たすと正面姿が公開されるという演出が施されています。

サブキャラクター

野々村 智美（ののむら ともみ）
声：鈴音華月
陽茉莉の親友で、彼女のことを「ひまひま」と呼んでいます。
流行り物とイケメンが好きで、ホラー映画が苦手です。
陽茉莉をからかうのが趣味ですが、やりすぎると逆襲を受けることもあります。

綾部 まひろ（あやべ まひろ）
声：西乃ころね
理奈の親友で、主人公とも昨年クラスメイトでした。
大人びた雰囲気ですが、風紀委員に所属しながらもサボることもあります。
運動も得意で、バスケットボールでは理奈と組むと無敵です。
理奈と主人公は恋人として相性が良いと思っています。

水澄 真子（みすみ まこ）
声：白州妙
ゆずゆの後輩で、水泳部員です。
ゆずゆに疎ましがられていますが、あまり気にしていません。

瀬野 元気（せの げんき）
声：蝦押丈
主人公のクラスメイトで友人です。
名前の通り元気ですが、金にルーズで主人公や桃から借金をしています。
彼女が欲しいと思っていますが、うまくいきません。
理奈の事が苦手です。

須賀崎 桃（すがさき もも）
声：夏村伊介
主人公のクラスメイトで友人です。
容姿も性格も良いのですが、リザードマン愛好家で、女子からは避けられています。
お金持ちで、毎月50000円の小遣いをもらっています。怒ると口調が変わり、恐れられています。

近藤 正義（こんどう まさよし）
声：西岡賢吾
クラスの担任です。
名前から「ジャスティス」と呼ばれていますが、内心では嫌がっています。
結婚していますが、悲惨な生活を送っており、教育について独自の考えを持っています。

皆原 陽子（みなはら ようこ）
陽茉莉の母親で、主人公の母親とは飲み友達です。

佐藤（さとう）
クラスメイトの一人。立ち絵なし。名前は不明。
モチョッピィというキャラでいますが、限界を感じています。

ゲストキャラクター

紺野 彩里沙（こんの ありさ）
声：森谷実園
3年生で、水泳部に知り合いがいます。主人公にアドバイスをすることがあります。『ピュア×コネクト』からのゲストキャラクターです。

篠崎 あゆみ（しのざき あゆみ）
声：井ノ上花
陽茉莉と同じ委員会に所属する3年生です。穏やかで笑顔が絶えません。彩里沙と同じく『ピュア×コネクト』からのゲストキャラクターです。

開発

ディレクターの宅本うとは、恋人とのデートのドキドキ感を表現したいという思いで本作を制作しました。ヒロインとの関係が友達から始まるため、関係の深さに合わせて衣装が多数用意されています。衣装は制服、私服、デート服、パジャマ、水着の5種類があり、水着以外は春と夏のバージョンがあります。小物やカバンも用意され、特にカバンは普段描かないため、力を入れて制作されました。本作では「どの子もかわいい」という方針で、センターヒロインは設定されておらず、パッケージもヒロインが均等に配置されています。

キャラクター設定

幼馴染キャラの距離感に違和感を感じていたため、陽茉莉は主人公との距離を置き、付き合った後に対等な関係になるという設定にしました。陽茉莉は、良くも悪くも色気のない普通の少女として設定されており、「少しふわっとしたどこにでもいる少女」というデザインが指示されました。あめとゆきは、陽茉莉を「ハムスターのように手になじむ感じ」の少女としてデザインしました。また、名前の「茉莉」からジャスミンを連想し、白い花をモチーフにした衣装や小物が取り入れられました。宅本は、陽茉莉が低スペックに見えないギャップを高く評価しています。

理奈は、シナリオライターの願望から生まれたキャラクターで、「序盤では主人公とは付き合わない」と言いながら、付き合った後で特別な一面を見せるという設定です。理奈はモデルのようなスタイルでデザインされました。

ゆずゆは、『ラブラブル』の頃から構想があったキャラクターで、既存のギャルゲーに理不尽暴力系のヒロインがいなかったため起用されました。ゆずゆは、どんなに周囲を遠ざけても主人公が正面から関わることで、お互いに体当たりのコミュニケーションを構築していくキャラクターとして設定されました。ゆずゆ役の秋野花には、付き合う前と後で演技を大きく変えるように指示されました。デザインはネコ科の動物のような性質を取り入れたものになりました。

岬は、高嶺の花として設定されており、その距離感を示すために最初は後ろ姿しか公開されませんでした。宅本は「本当は存在を出すこともしたくなかった」と述べています。岬のデザインは、黒のロングヘアでアクセサリを付けないという指示がありました。

開発スタッフ

監修 - 宅本うと
原画
あめとゆき（皆原 陽茉莉、沢渡 岬）
ひなたもも（柊 ゆずゆ）
REI（望月 理奈）
かのら（サブキャラクター）
シナリオ - チームフレラバ（早瀬ゆう、木村ころや、柊晴空、松倉慎二）
BGM - Angel Note

主題歌

フレラバ 〜Friend to Lover〜
オープニング主題歌「quantum jump」
作詞 - 真里歌 / 作・編曲 - Meis Clauson / 歌 - 真里歌
エンディングテーマ「二人のアルバム」
作詞 - 夏希美羽 / 作・編曲 - 椎名俊介 / 歌 - 夏希美羽

Friend to Lover 〜フレラバ〜
オープニング主題歌「eclosion」
作詞 - kala / 作・編曲 - 椎名俊介 / 歌 - 西沢はぐみ
皆原陽茉莉エンディングテーマ（キャラクターソング）「and happy」
作詞 - kala / 作・編曲 - 椎名俊介 / 歌 - 皆原陽茉莉（東かりん）
望月理奈エンディングテーマ（キャラクターソング）「Good Night」
作詞・作曲 - kala / 編曲 - R.East / 歌 - 望月理奈（あじ秋刀魚）
柊ゆずゆエンディングテーマ（キャラクターソング）「シャルロットの憂鬱」
作詞 - Riryka / 作・編曲 - 井ノ原智 / 歌 - 柊ゆずゆ（秋野花）
沢渡岬エンディングテーマ（キャラクターソング）「この声を聞いてね」
作詞 - 中山♡マミ / 作・編曲 - 篠原瑞希 / 歌 - 沢渡岬（水邑琴音）

反響

人気投票
PC版は、Getchu.comの美少女ゲーム大賞2013の総合部門で14位にランクインしました。

批評
PlayStation Vita移植版は、「週刊ファミ通」のクロスレビューで32点を獲得し、ゴールド殿堂入りしました。恋愛に前向きな主人公が好意的に受け入れられ、「口説きの過程がうまくシステム化されている」などゲームシステムが高く評価されました。一方で、個別ルートに入るとゲームが紙芝居的になるとの指摘もありました。
美少女ゲーム大賞2013では、「ヒロインと付き合うまでの過程や、付き合った後の過程を楽しめた」という好意的な意見や、「選択肢が一つ違うだけで反応が変わるので、すべての選択肢を選んで楽しんだ」という意見がありました。一方で、「陽茉莉ルートにおいて延々とループするバグを改善してほしい」という意見もありました。

脚注

注釈

出典

参考文献

『ファミ通』第30巻第14号、KADOKAWA、2015年4月2・9日。

関連項目

HOOKSOFT

外部リンク

公式ウェブサイト
Friend to Lover 〜フレラバ〜 オフィシャルサイト - PS Vita版公式サイト

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