フロント・ライン・アッセンブリー

フロント・ライン・アッセンブリーの概要

フロント・ライン・アッセンブリー（Front Line Assembly）は、1986年にカナダで設立されたエレクトロ・インダストリアルバンドです。バンドの中心人物であり創設者であるビル・リーブは、以前にスキニー・パピーのメンバーとして活動していましたが、自らの音楽的ビジョンを追求するために新たなプロジェクトを立ち上げました。これは、EBM（エレクトロニック・ボディ・ミュージック）に根ざした音楽性からスタートし、徐々にインダストリアル色を強めていく特徴があります。

来歴の詳細

フロント・ライン・アッセンブリーは、設立当初から様々なスタイルを採り入れてきました。彼らはデモテープ『Nerve War』を1986年に制作し、1987年にはファーストアルバム『The Initial Command』をリリース。1989年に発表したアルバム『Gashed Senses & Crossfire』の収録曲「Digital Tension Dementia」は、ビルボードの「Hot Dance Club Songs」において45位を記録しました。

特に1992年のアルバム『タクティカル・ニューラル・インプラント』では、これまでのEBMからエレクトロ・インダストリアルへとシフトし、そこから彼らの音楽スタイルがさらに深化していきました。アルバムの中の「Mindphaser」は、カナディアン・ミュージック・ビデオ・アウォードで「Best Alternative Video」に選ばれるなど、高い評価を得ました。

彼らは1999年、人気ビデオゲーム『Quake III Arena』のサウンドトラックを手掛け、その影響力を広げることにも成功しました。2000年代には、インダストリアル・ロックやインダストリアル・メタルからの脱却を図り、サンプリングを多用した新たな音楽スタイルを模索。1980年代のエレクトリックなルーツに回帰する試みも見せています。

残念ながら、2018年1月にはメンバーのジェレミー・インケルが喘息の合併症によって不幸にも亡くなりました。彼は2005年からバンドの一員として活躍し、シンセサイザーやプログラミングを担当していました。

現在のメンバー

- ビル・リーブ (Bill Leeb) - ボーカル、シンセサイザー、キーボード、パーカッション（1986年〜現在）
- ライズ・フルバー (Rhys Fulber) - シンセサイザー、キーボード、プログラミング、パーカッション（1989年〜1997年、2003年〜2006年、2014年〜現在）
- ジェイソン・バジネット (Jason Bazinet) - ドラム（2010年〜現在）
- ジェフ・スウェアレンジン (Jeff Swearengin) - ライブ・シンセサイザー、エレクトロニクス（2017年〜現在）

旧メンバー

過去には以下のメンバーも在籍していました。

- マイケル・バーチ (Michael Balch) - シンセサイザー、キーボード、プログラミング、パーカッション（1987年〜1989年）
- クリス・ピーターソン (Chris Peterson) - シンセサイザー、キーボード（スタジオ・ワーク: 1997年〜2001年、2005年〜2010年）
- ジェレミー・インケル (Jeremy Inkel) - シンセサイザー、キーボード（スタジオ・ワーク: 2005年〜2017年、2018年死去）
- ジャレッド・スリンガーランド (Jared Slingerland) - ギター、シンセサイザー（スタジオ・ワーク: 2005年〜2016年）

ディスコグラフィー

フロント・ライン・アッセンブリーは多くのアルバムをリリースしています。主なスタジオアルバムには、

- 『The Initial Command』 (1987年)
- 『タクティカル・ニューラル・インプラント』 (1992年)
- 『ハード・ワイアード』 (1995年)
- 『人工兵士』 (2006年)
- 『Wake Up the Coma』 (2019年)

などがあります。

また、様々なコンピレーションアルバムも制作しており、音楽シーンにおける存在感を示し続けています。

まとめ

フロント・ライン・アッセンブリーは、エレクトロニック・ボディ・ミュージックやインダストリアルといったジャンルの中で、独自の進化を遂げてきたバンドです。彼らの音楽は、実験的な要素を取り入れながらも、常に新しさを追求し続ける姿勢を体現しており、今後もさらなる挑戦が期待されます。

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