フローティングパビリオン羊蹄丸

フローティングパビリオン羊蹄丸について

フローティングパビリオン羊蹄丸は、東京都品川区の東八潮に位置し、船の科学館の別館として知られる博物館船です。この船は、青海北ふ頭公園内に係留されており、訪れる人々にユニークな学びと体験の場を提供してきました。

沿革

羊蹄丸は、1965年から1988年までの約23年間、日本国有鉄道および北海道旅客鉄道による青函航路で運航されていた二代目の客船です。運航を終了した後は、船の外観を当時のまま維持しながら、内部を船に関する博物館展示施設として改装しました。1996年からは、船の科学館の別館として公開され、多くの来館者を迎えました。

この船が船の科学館に展示されるまでには、8年の歳月が必要とされました。その理由は、船の科学館が所在する臨海副都心地域が港湾再開発の指定地区となったためで、繋留の許可が保留されていたためです。その間、羊蹄丸は、ジェノヴァ国際博覧会終了後に三井造船の千葉事業所に一時的に係留されていました。隣接する南極観測船「宗谷」は、その再開発指定がされる前から係留されていました。

2011年には閉館し、その後は新居浜港へ曳航され、新居浜工業高等専門学校で調査された後に解体されました。この解体は、シップリサイクル条約が完全に実施されたことを示す日本初の事例として認められました。

施設概要

1階（車両甲板）

• - 青函ワールド：昭和30年代の青森駅前を模したジオラマ展示（現在は青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸に移設）
• - 青森駅前「朝市」や駅舎の待合室、切符売り場など、当時の雰囲気が再現されています。
• - 青函連絡船に使われていたディーゼル機関車（DE10 30）や客車（スハフ44 25）の実物展示も行われていました。

2階

• - 乗船口やエントランス・ホール、体験型アトラクション「シー&シップ・ワールド」、アドミラル・ホールが設けられ、さまざまな海と船に関する学びが体験できる施設として人気を集めていました。

3階

• - プロムナード・カフェやギャラリー、屋外甲板があり、来館者は美しい海を眺めながらリラックスしたひとときを過ごすことができました。

4階

• - 操舵室や屋外甲板が設けられており、船の操作や航海についての理解を深めることができる貴重な空間でした。

当初は別途入館料が必要でしたが、2008年からは訪れる人々に無料で開放され、多くの人に親しまれる存在となっていました。閉館後、車両甲板に保存されていた車両はそれぞれ異なる場所に移されたり、保管されたりしています。特に、DE10 30は千葉県いすみ市のポッポの丘に、スハフ44形客車は真岡鉄道の真岡駅に移設され、今でも多くの人に利用されています。

交通機関

フローティングパビリオン羊蹄丸へは、新交通ゆりかもめの「船の科学館駅」を利用することでアクセスできます。

関連項目

• - 船の科学館
• - 羊蹄丸
• - 青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸
• - 函館市青函連絡船記念館摩周丸

このように、フローティングパビリオン羊蹄丸は、ただの博物館船ではなく、歴史を語る重要な資源として、多くの人々に愛されてきました。

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