真岡駅

真岡駅：SLと歴史が織りなす、真岡市の玄関口

真岡駅は、栃木県真岡市の中心部に位置する真岡鐵道真岡線の駅です。単なる鉄道駅という枠を超え、SL（蒸気機関車）をテーマにした博物館的要素も併せ持つ、地域を代表する観光拠点となっています。

歴史と変遷：

真岡駅の起源は1912年（明治45年）にさかのぼります。下館～真岡間が開業した際に開設され、当初は貨物輸送も盛んに行われていました。その後、1982年には貨物輸送が廃止され旅客駅となり、1988年には国鉄分割民営化に伴い真岡鐵道の駅となりました。この際に駅名は「もうか」から「もおか」へと変更されました。

1996年には転車台が設置され、翌年にはSLを模した新しい駅舎が完成。1997年には「関東の駅百選」にも選出されるなど、その魅力は広く認知されるようになりました。選定理由は「地域の核として期待される巨大な蒸気機関車の複合施設の駅」と評されました。

2012年には、真岡市が井頭公園に展示されていた9600形蒸気機関車49671号機を駅東口に移設。さらに、他の廃車車両も整備の上、移設する計画が持ち上がり、真岡駅全体をSLミュージアムとして再生させる構想が実現することとなります。2013年には、この構想の中核を担う「SLキューロク館」が開館しました。

駅構造と施設：

真岡駅は2面3線の地上駅で、旧貨物ホームを転用した切欠きホームも1線残されています。駅舎は真岡駅子ども広場、真岡鐵道本社、交番なども併設された複合施設となっています。改札口、出札窓口、自動券売機を備えていますが、一部列車を除き車内での運賃精算となります。東口と西口を結ぶペデストリアンデッキ（東西自由通路）があり、改札を通らずにホームへ直接アクセスできます。

駅構内には、かつて水戸機関区真岡支区が存在しており、様々な車両が配属されていました。現在も構内には、部品取り用車両や国鉄時代の車両が複数留置され、鉄道史を感じさせる貴重な光景となっています。

利用状況とSLキューロク館：

2019年度の一日平均乗車人員は約400名と、真岡鐵道線内では最も利用者が多い駅です。

SLキューロク館は、真岡駅に移設された9600形49671号機を中心に、様々な蒸気機関車や客車、貨車が展示されている施設です。49671号機は圧縮空気による自走が可能で、体験乗車もできます。その他、D51形蒸気機関車や様々な貨車、客車などが展示され、鉄道ファンならずとも楽しめる空間となっています。展示車両は定期的にメンテナンスや展示内容の変更が行われています。

真岡駅まるごとミュージアム：

真岡駅西口エリアは「真岡駅まるごとミュージアム」として開放されています。駅構内西側の側線群、SL格納庫、転車台、展示車両などを含む広大なエリアが散策可能で、様々な車両を間近で見学できます。

駅周辺環境：

駅周辺には、関東自動車のバス路線（宇都宮駅、石橋駅方面）や真岡市コミュニティバス（いちごバス）が乗り入れており、交通アクセスにも恵まれています。かつては関西方面への夜行高速バスも運行していました。

まとめ：

真岡駅は、歴史とSLが融合した、魅力的な観光スポットです。鉄道ファンはもちろん、家族連れや観光客にもおすすめの場所となっています。訪れた際には、駅舎、SLキューロク館、そして駅周辺の散策を通じて、真岡の歴史と文化に触れてみてください。

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