フローレンス・ピットマン

フローレンス・ピットマン：日本の女子教育に貢献したアメリカ人宣教師

フローレンス・ピットマン（Florence R. Pitman, 1854年 - 1930年）は、アメリカ合衆国出身の宣教師であり、教育者です。米国[[聖公会]]の宣教師として日本に派遣され、立教女学校（現在の立教女学院）の主任・校長を務めました。また、女子英学塾（後の津田塾大学）を創設した津田梅子と交流し、日本の女子教育の発展に大きく貢献しました。夫は建築家のジェームズ・マクドナルド・ガーディナーです。

来日から立教女学校での活動

1877年（明治10年）5月11日、フローレンス・ピットマンは米国[[聖公会]]の宣教師に任命され、同年日本へ派遣されました。同年11月に東京に到着し、間もなく立教女学校で教鞭を執ることになります。立教女学校は、同年6月に湯島天神町（現在の文京区湯島）でブランシェ夫妻によって開かれた生徒わずか6名の私塾として始まりました。

当時23歳だったフローレンスは、初代校長であったブランシェ夫人を支え、熱心に日本語を習得しながら生徒たちに英語を教えました。学校創設当初は、設置場所が居留地外であったため、外国人教師は校主である若山儀一に雇用される形をとっていました。

1878年（明治11年）には、立教女学校は神田駿河台東紅梅町（現在の神田淡路町）のブランシェ夫妻の新居に移転し、フローレンスも同居しました。1879年（明治12年）には、大阪でミス・エレン・ガードルード・エディが運営する照暗女学校（後の平安女学院）が発展を遂げ、ブランシェ夫人とフローレンスは立教女学校を同様に成功させるために尽力しました。同年12月、立教女学校は生徒数21名に増加したため、隅田川に近い築地（現在の東京都中央区築地）に移転しました。

結婚と津田梅子との交流

1881年（明治14年）、フローレンスは立教学校の校長として築地の校舎などを設計したジェームズ・ガーディナーと婚約しました。同年10月、米国[[聖公会]]外国委員会は、サラ・リディックを宣教師として任命し、フローレンスのアシスタントとして立教女学校に派遣することを決定しました。サラ・リディックは翌年3月に日本に向けて出発しました。

1882年（明治15年）5月16日、フローレンスは東京・芝の聖アンデレ教会でジェームズ・ガーディナーと結婚しました。同年6月には、立教女学校の全責任がガーディナー夫妻に委ねられ、夫妻の住居の一部が女学校の教室として使用されることになりました。フローレンスは立教女学校の初期から学校運営に深く関わっていました。

ガーディナー邸の近くには、津田梅子が創設した女子英学塾（後の津田塾大学）があり、ガーディナー夫妻は講師を務め、津田梅子と交流を深めました。ミセス・フローレンスは津田梅子と親友となり、互いに影響を与え合いました。

新校舎の完成とその後

1884年（明治17年）3月、ジェームズ・ガーディナーの設計により、立教女学校は築地居留地内に新校舎を完成させました。新校舎は洋風三階建ての美しい建物で、居留地内でも評判となりました。サラ・リデックが校長に就任し、新校舎とともに校則教則も整えられました。

フローレンス・ピットマンは、立教女学校の発展に尽力する傍ら、日本の女子教育の向上に貢献しました。彼女の教育者としての熱意と、津田梅子との協力は、日本の女子教育に大きな足跡を残しました。

彼女の功績は、立教女学院や津田塾大学の発展を通して、今もなお受け継がれています。

もう一度検索