フーラードFC

フーラード・フーゼスターンFC：鉄鋼の街アフヴァーズを代表する名門サッカークラブ

フーラード・フーゼスターンFCは、イラン南西部アフヴァーズを本拠地とする、イランを代表するサッカークラブです。クラブ名はペルシア語で「鉄鋼」を意味し、これはフーゼスターン州の鉄鋼会社がメインスポンサーであることに由来します。

AFCアジアカップでの躍進とイラン・プロリーグ制覇

フーラードは、2004年に中国で開催されたAFCアジアカップに、イラン代表として最多となる6名の選手を輩出しました。特に準々決勝の韓国戦では、フーラード出身の選手たちが目覚ましい活躍を見せ、4-3での勝利に大きく貢献しました。

2004-05シーズンには、イラン・プロリーグ（IPL）で初の優勝を果たし、30試合で64ポイントを獲得しました。これは、IPL史上4番目の優勝クラブとしての快挙でした。

クラブの歴史

設立と初期の歩み

フーラードは1996年に設立されました。その前身となるジョヌーブ・アフヴァーズFCが解散するまで、さほど注目されるクラブではありませんでした。しかし、1991年にはアフヴァーズ市選手権で優勝、1993年にはフーゼスターン州サッカーリーグ2部リーグに参加するなど、着実に力をつけていきました。

アーザーデガーン・リーグへの昇格

1995年、フーラードはフーゼスターン州2部リーグで優勝。同年、ジョヌーブ・アフヴァーズFCが解散したことを受け、イランサッカーリーグ2部への参加が承認されました。1996年にはホマーユーン・シャーフロフィーが監督に就任し、チームを1部リーグへと昇格させました。フーラードは、アフヴァーズ市4部リーグからわずか10年で、国内最上位サッカーリーグへの昇格を果たしたのです。

イラン・プロリーグでの挑戦と苦難

1部リーグ昇格後、フーラードは国内の才能ある若手選手を積極的に発掘。メインスポンサーに「アフヴァーズ製鋼」が就き、財政状況も大幅に改善されました。そして、2004-05シーズンには、ついにイラン・プロリーグで優勝を果たしました。

しかし、その後はクラブ内の内紛や監督問題などが相次ぎ、AFCチャンピオンズリーグ2006では実力を発揮することができませんでした。優勝時のスター選手やMVP獲得選手が、UAEのアル・シャバーブなどへレンタル移籍したこともチームの弱体化に拍車をかけました。

2006-07シーズンには、成績不振により2部リーグのアーザーデガーン・リーグへと降格。翌シーズンには昇格プレーオフで敗れましたが、数週間後、1部リーグ昇格を決めたセパハン・ノヴィーンから1部参加の権利を買い取り、イラン・プロリーグ1部への復帰を果たしました。

近年の動向

2008-09シーズンには、マジード・ジャラーリーが監督に就任し好成績を収めましたが、クラブ代表のSeifollah Dehkordiが他の監督と契約交渉を行っていたことが発覚し、辞任。その後、ルカ・ボナチッチが監督に就任するも、成績不振により解任され、再びマジード・ジャラーリーが監督に就任しました。

ユースアカデミー

2000年に開設されたフーラードのユースアカデミーは、これまでに400人以上のプロサッカー選手を輩出してきました。イーマーン・モブアーリー、アーラシュ・アフシーン、バフティヤール・ラフマーニー、カーヴェ・レザーイーなど、数多くのイラン代表選手を育成しており、セパハンと並び、イラン屈指のユースアカデミーとして知られています。

タイトル

イラン・プロリーグ: 2004-05, 2013-14
ハズフィ・カップ: 2020-21
* イラン・スーパーカップ: 2021

フーラード・フーゼスターンFCは、鉄鋼の街アフヴァーズを代表するクラブとして、これからもイランサッカー界を牽引していくことが期待されます。

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