アーザーデガーン・リーグ

アーザーデガーン・リーグ

アーザーデガーン・リーグは、イランにおけるプロサッカーの2部リーグであり、ペルシアン・ガルフ・プロリーグ（1部）への登竜門として重要な役割を担っています。本稿では、その歴史、大会形式、そして関連情報について詳細に解説します。

歴史

イラン革命後、初の全国リーグは1989年に「ゴドゥス・リーグ」という名称で幕を開けました。この初代王者にはエステグラルが輝いています。1991年、リーグはイラン・イラク戦争からの帰還兵を称え、「アーザーデガーン・リーグ」と改名されました。「アーザーデガーン」とはペルシア語で「自由な人々」を意味します。リーグ参加クラブ数は年々増加し、初期にはパス・テヘランとサイパが優勝を分け合う時代が続きました。

パス・テヘランとエステグラルはリーグ戦で実績を残し、1990年代にはアジアクラブ選手権にも出場しています。90年代中盤にはペルセポリスやエステグラルがリーグを席巻し、1995年から2001年までは両クラブが交互に優勝を飾るという、まさに2強時代を築き上げました。

2001年まで、アーザーデガーン・リーグはイランの国内最上位サッカーリーグでしたが、イランサッカー連盟は同年、新たにプロリーグであるペルシアン・ガルフ・プロリーグを創設し、国内のトップリーグとすることを決定しました。これにより、アーザーデガーン・リーグは2部リーグへと位置付けられることになりました。

大会形式

アーザーデガーン・リーグは、14クラブずつが所属する2つのグループに分かれてリーグ戦を行います。各グループの上位2チームは、翌シーズンの1部昇格をかけて、ホーム・アンド・アウェー方式による昇格プレーオフを戦います。このプレーオフを勝ち抜いた上位2チームが、ペルシアン・ガルフ・プロリーグへの参加資格を獲得します。また、昇格プレーオフの最上位チームが、そのシーズンのリーグ優勝クラブとなります。

一方、各グループの下位2チーム、合計4チームは、リーグ2（3部）へと降格します。年度によっては、上記のプレーオフ形式ではなく、中立地での一回戦制の試合が行われることもあります。リーグ2の2つのグループの上位2チームは、翌シーズンにアーザーデガーン・リーグへと昇格します。

ハズフィー・カップ

アーザーデガーン・リーグに参加する全てのクラブは、イランの国内カップ戦であるハズフィー・カップへの参加資格を有しています。アーザーデガーン・リーグのクラブがハズフィー・カップで優勝した場合、AFCチャンピオンズリーグへの出場権を獲得できます。しかし、アーザーデガーン・リーグが2部リーグに降格した2001年以降、リーグからハズフィー・カップの優勝クラブは出ていません。

歴代優勝クラブ

1部リーグ時代

1991-92: パス・テヘラン
1992-93: パス・テヘラン
1993-94: サイパ
1994-95: サイパ
1995-96: ペルセポリス
1996-97: ペルセポリス
1997-98: エステグラル
1998-99: ペルセポリス
1999-2000: ペルセポリス
2000-01: エステグラル

2部リーグ時代

2001-02: サナト・ナフト
2002-03: シャムーシャク・ノウシャフルFC
2003-04: サバー・バッテリー
2004-05: シャヒード・ガーンディー・ヤズド
2005-06: メス・ケルマーン
2006-07: シーリーン・ファラーズ
2007-08: ペヤーム・マシュハド
2008-09: スティール・アジン (A), トラークトゥール・サーズィー (B)
2009-10: シャフルダーリー・タブリーズ (A), ナフト・テヘラン (B)
2010-11: ダーマーシュ・ギーラーン
2011-12: ペイカーン
2012-13: ゴスタレシュ・フーラード
2013-14: パディーデ・マシュハド
2014-15: フーラードBFC
2015-16: ペイカーン
2016-17: パールス・ジョノウビー・ジャム
2017-18: ナフト・マスジェデ・ソレイマーン
2018-19: ゴル・ガハル
2019-20: メス・ラフサンジャーン
2020-21: ファジュル・セパーシー
2021-22: マラヴァーンFC
2022-23: シャムス・アザールFC

関連項目

イランのサッカー
ペルシアン・ガルフ・プロリーグ

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