ブガッティ・タイプ35

ブガッティ・タイプ35

ブガッティ・タイプ35（Type35）は、1924年から1931年まで生産された著名なレーシングカーで、その魅力と性能から多くのファンを魅了し続けています。このモデルは、エットーレ・ブガッティの独自の設計哲学に基づいています。特に注目すべきは、総計で1,000勝以上の戦績と、数多くのレースでの連続優勝記録です。

歴史と設計

タイプ35は、1924年8月3日にリヨン・グランプリで華々しくデビューしました。搭載されたのは、1,991ccのSOHC直列8気筒エンジンで、最高出力は90hp（67kW）を誇ります。このエンジンは、世界初のボールベアリング技術を取り入れたもので、最高回転数は6,000rpmに達しました。さらに、リーフスプリングと固定軸を用いたサスペンション、ドラム式ブレーキも採用され、当時のレーシングカーの常識を覆しました。

また、特筆すべきはアルミホイールの採用です。ブレーキドラムと一体化した鋳造技術により、冷却性能や整備性の向上が図られました。この革新的な設計は、多くのレーシングカーに影響を与え、ブガッティの象徴となりました。

モデルバリエーション

タイプ35にはいくつかのバリエーションがあります。廉価版の「タイプ35A」は、1925年に登場し、エンジン出力は低下したものの、139台が生産されました。また、スーパーチャージャー搭載の「タイプ35C」は、128hpの出力を持ち、1928年と1930年のフランス・グランプリで優勝しています。

「タイプ35T」は、特別モデルとしてタルガ・フローリオに向けて開発され、排気量を拡大したエンジンを搭載していましたが、ライセンスの変更によりわずか13台が生産されました。さらに、最終型の「タイプ35B」は、1927年に登場し、優れたスーパーチャージャーを装備して出力が増強されました。

「タイプ37」シリーズは、タイプ35のシャシーを利用し、新しい直列4気筒エンジンを搭載したモデルで、290台が生産されました。その後、スーパーチャージャー版の「タイプ37A」も登場し、その性能は80hpから90hpに向上しました。さらに、タイプ39では、ショートストロークエンジンが搭載され、独特の存在感を放っています。

成績と影響

タイプ35は、モナコグランプリでの連続優勝やタルガ・フローリオでの5年連続優勝といった記録を持ち、これらの記録は今でも語り継がれています。特に、一週間あたりの14勝という驚異的な勝率は、他の追随を許しません。

このモデルの美しいデザインと優れた機能性は、後世の自動車デザインにも多大な影響を与えました。デザインのみならず、性能面でも先進的な技術を駆使し、レース界に新たな標準を打ち立てたと言えるでしょう。

結論

ブガッティ・タイプ35は、単なるレーシングカーの枠を超えた歴史的な存在であり、その革新性や伝説的な勝利の数々は、今なお多くの人々に感動を与えています。自動車の進化において重要な位置を占め、レースカーの原点とも言えるこの名車は、ブガッティの誇りであり、車好きにとっての永遠の憧れです。

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