ブガッティ・ボライド

ブガッティ・ボライド：究極のサーキットマシン

ブガッティ・ボライドは、フランスの自動車メーカー、ブガッティが開発したサーキット走行専用車です。2020年に発表され、2021年のミラノモーターショーで実車が公開されました。その名はフランス語で「レーシングカー」を意味し、まさにその名にふさわしい圧倒的な性能を誇ります。

驚異的なパワーと加速性能

ボライドの心臓部には、ブガッティの象徴である8.0LクワッドターボW16エンジンを搭載。最高出力は1,850PS、最大トルクは1,850Nmに達し、シロン・スーパースポーツ300+を大きく上回るパワーを発生します。この強力なエンジンと、わずか1,240kgという軽量ボディによって、信じられないほどの加速性能を実現しています。

0-100km/h：2.17秒
0-200km/h：4.36秒
0-300km/h：7.37秒
0-400km/h：12.0秒

理論上は、わずか20.16秒で時速500km/hに到達するとされています。最高速度は500km/hを超え、0-400-0km/h加速は24.62秒、0-500-0km/h加速は33.62秒という驚異的な数値を記録しています。

軽量設計と空力性能

ボライドの軽量化は、徹底的に追求されています。モノコックを始め、多くのコンポーネントにチタンを採用し、ボディパネルにはカーボンファイバーを多用することで、1,240kgという驚異的な軽量化を実現しました。

さらに、空力性能にも配慮がなされています。X字型のテールライトなど、LMP1レーシングカーのデザインから影響を受けたエアロダイナミクスは、高速走行時でも高い安定性を確保します。時速320km/h時には、ボディで2,631kg、リアウィングで1,800kg、フロントウイングで800kgものダウンフォースを発生させます。また、ゴルフボールと同じパターンをエアスクープに施すことで、空気抵抗を10%低減しています。全高は995mmと、ブガッティのレーシングカーであるタイプ57Cと同じ高さです。

サーキットでの圧倒的なパフォーマンス

ブガッティは、コンピューターシミュレーションによってボライドのラップタイムを算出しています。

ニュルブルクリンク：5分23秒1
サルト・サーキット：3分7秒1

サルト・サーキットのタイムは、トヨタTS050の3分14秒7よりも約8秒速く、その圧倒的な速さを示しています。

技術革新

ボライドの開発には、最新の技術が惜しみなく投入されています。例えば、ブレーキキャリパーは3Dプリンターを用いて製造され、軽量化と高性能化に貢献しています。

まとめ

ブガッティ・ボライドは、究極のサーキットマシンと言えるでしょう。その驚異的なパワー、軽量設計、そして高度な空力性能は、まさに芸術品と呼ぶにふさわしいものです。W16エンジンを搭載する最後のモデルとして、その存在は今後も語り継がれることでしょう。

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