ブザウ県

ブザウ県（Judeţul Buzău）は、ルーマニアのワラキア（ムンテニア）地方に位置する県です。県都はブザウ市で、県全体の人口は約40万人（2021年国勢調査）です。住民の大部分はルーマニア人で、ロマ人も一定数居住しています。

地理

ブザウ県は、ルーマニアの南東部に位置し、周辺の県と接しています。具体的には、東はブライラ県、西はブラショフ県とプラホヴァ県、北はコヴァスナ県とヴランチャ県、南はヤロミツァ県に隣接しています。

地形的には、県の北部が東カルパティア山脈の南端にあたり、標高1700mを超える山岳地帯が広がっています。この山岳地帯は、豊かな森林に覆われ、多様な動植物が生息する自然の宝庫です。南部と東部に向かって標高は徐々に低くなり、広大なバラガン平野が広がります。バラガン平野は、肥沃な土壌に恵まれ、農業が盛んな地域です。

県内を流れる主要な河川はブザウ川です。ブザウ川は、県北部を源流とし、東に向かって流れ、最終的にはシレト川に合流します。ブザウ川には、多くの小さな支流が流れ込んでおり、これらの支流は、周辺地域に灌漑用水を供給する重要な役割を果たしています。その一方で、ブザウ川流域は、洪水の発生しやすい地域でもあります。

特筆すべきは、県北部の山岳地帯に存在する多様な地形です。泥火山、砂岩のコンクリーション、岩塩ドームなど、特異な地形が数多く存在し、これらの地形は、地質学的な観点からも非常に貴重です。これらの地形が集中する地域は、2022年に「ブザウの土地ジオパーク」（Geoparcul „Ținutul Buzăului”）としてユネスコ世界ジオパークに指定されました。このジオパークは、地質学的な遺産を保護するとともに、観光資源としての活用も期待されています。

経済

ブザウ県の主要な産業は、機械（鉄道、自動車）部品、金属部品、ガラス、食品、繊維、木材など多岐にわたります。これらの産業は、県内の雇用を支える重要な役割を果たしています。また、丘陵地帯では、ワインや果実の栽培が盛んに行われています。ブザウ県産のワインは、ルーマニア国内だけでなく、海外にも輸出されており、高い評価を得ています。

行政区画

ブザウ県は、2つの都市、3つの町、82の基礎自治体から構成されています。県都であるブザウ市は、県の政治、経済、文化の中心地であり、人口は約13万7千人です。ルムニク・サラトは、県内で2番目に大きな都市で、人口は約4万人です。

ブザウ県は、豊かな自然と多様な産業を有する地域であり、ルーマニアの発展に貢献しています。ユネスコ世界ジオパークに指定されたことで、観光地としての魅力も高まっており、今後の発展が期待されています。

主な都市
ブザウ（約13万7千人）
ルムニク・サラト（約4万人）

外部リンク
ブザウ県のサイト（ルーマニア語）
県議会のサイト（ルーマニア語）

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