ブズカシ

ブズカシとは

ブズカシ（ペルシア語：بُزکشی）はアフガニスタンの国技であり、騎馬競技の一種です。このスポーツは2組の騎手が対抗し、ヤギをボールの代わりにして奪い合います。ペルシャ語の「بُز」（バズ）は「ヤギ」、そして「كشی」（カシ）は「引く」や「引きずる」という意味を持つことから、ブズカシという名が付けられました。

歴史と変遷

この競技は元々、生きたヤギを使用して行われていましたが、現在では頭部を除いた死んだ子牛の体を用いることが一般的となっています。アフガニスタンオリンピック連盟によって公式のルールが定められていますが、試合の開催地域によってはこのルールが守られないことも多々あります。特に北部地域では、公式ルールに従った競技が行われることは希です。

競技のルール

ブズカシでは、相手の騎手を鞭で叩くことや馬上からの突き落としは禁止されています。この禁止事項は競技の安全性を保つために設けられているものですが、実際には試合中にルール無視が見受けられることもあります。競技に参加する騎手たちは「チャーパーンダーズ」（چاپ‌انداز、Chapandaz）と呼ばれ、アフガニスタンの多様な民族ごとに編成されたチームで競い合います。

政治的背景

ターリバーンが第一次政権を持っていた頃、ブズカシは一時的に禁止されていました。しかし2021年以降、再び権力を握った後に、競技を認める方向へと転換し、公式のリーグ戦が開催されています。これにより、伝統的なスポーツが復活し、アフガニスタン国民の間での人気も再び高まっています。

文化的意義

かつてアフガニスタンでは、1979年から発行されていた500アフガニ紙幣にブズカシの競技シーンが描かれており、その文化的重要性を示しています。現在もなお、多くの人々に愛され続けており、アフガニスタンの国民的なアイデンティティの一部として根づいています。

メディアでの登場

この競技は、シルヴェスター・スタローン主演の映画『ランボー3/怒りのアフガン』にも登場し、その存在感を世界に知らしめました。ブズカシはアフガニスタンの伝統と文化を象徴する存在であり、今後もその魅力を保持し続けることでしょう。

まとめ

ブズカシは単なるスポーツではなく、アフガニスタンの民族や文化を体現する重要な存在です。競技のルールや歴史、政治的背景を理解することで、アフガニスタンがどのような国であるかをより深く知ることができます。この競技の豊かで多様な伝統は、今後も引き継がれていくことでしょう。

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