ブタクサ

ブタクサについて

ブタクサ（豚草、学名：Ambrosia artemisiifolia）は、キク科ブタクサ属に分類される一年草です。北アメリカを原産とし、現在ではアフリカを除く世界中に帰化植物として分布しています。

日本では、明治初期に渡来し、昭和初期には全国に定着しました。道端や河原などでよく見られ、繁殖力が強いため、日本では有害な雑草として扱われています。

和名は、英語の俗名である「Hog-Weed」（豚の草）を直訳したものです。また、「Rag-Weed」とも呼ばれています。中国では、豚草（別名：豬草、瘤果菊、艾葉瘤果菊）と呼ばれています。

特徴

ブタクサは、草丈が30cmから120cm程度まで成長する一年草で、全体に軟毛が生えているのが特徴です。

葉は、下部では対生し、上部では互生します。形状は細かく切れ込んだ2回羽状複葉が多く見られますが、切れ込みが浅いものも存在します。

開花時期は夏から秋にかけて（7月から9月頃）で、風媒花です。雄花は、小さな黄色い花が多数集まって細長い房状になり、その下に雌花が数個咲きます。雄花は12〜16個の筒状花からなり、雌花は1つの花で構成されます。

果実は総苞に包まれた偽果で、長さは3〜5mm程度です。中心に長いくちばし状の突起があり、その周囲にこぶ状の突起があります。

同属のオオブタクサ（A. trifida）は、ブタクサよりも草丈が高く、300cmにも達することがあります。また、葉は掌状で3〜5つに裂けており、クワの葉に似ているため、クワモドキとも呼ばれます。

花粉症との関連

ブタクサは、花粉症の主要な原因として知られています。日本では、スギやヒノキの花粉症が注目される以前から、1960年代後半頃からアレルゲンとして認識されてきました。

秋の花粉症の代表的なアレルゲンであり、アメリカでは全人口の5〜15%がブタクサ花粉症であるという統計もあります。

外来生物としての扱い

ブタクサは、外来生物法によって要注意外来生物に指定されています。これは、在来の生態系への影響や、花粉症による健康被害などが懸念されるためです。

参考文献

長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1976年6月1日。ISBN 4-586-30053-1。

関連項目

ブタクサハムシ
* オオブタクサ

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