ブックディテクションシステム

ブックディテクションシステム（BDS）とは

ブックディテクションシステム（Book Detection System）、通称BDSは、主に図書館で導入されているセキュリティシステムです。このシステムは、図書館の蔵書が不正に持ち出されるのを防ぐことを目的としています。元々はスリーエム ジャパンの登録商標でしたが、現在では同様の機能を持つ他社製品も広く「ブックディテクションシステム」と呼ばれることが一般的です。

仕組み

BDSの基本的な仕組みは、万引き防止システムと同様です。図書館の出入口に設置されたゲートと、図書に予め取り付けられたICタグまたはタトルテープ（磁気テープ）によって構成されます。利用者が貸出手続きをしていない図書を持ってゲートを通過しようとすると、システムがそれを検知して警告音を発します。これにより、利用者の貸出手続き忘れによる不正な持ち出しや、意図的な盗難を未然に防ぐことができます。

図書館では、所蔵するすべての図書にICタグやタトルテープを取り付ける必要があります。これらのタグやテープには、個々の図書を識別するための情報が記録されています。ゲートには、この情報を読み取るためのセンサーが内蔵されており、貸出手続き済みの図書と未手続きの図書を判別します。

メリット

BDSの導入には、主に以下のメリットがあります。

盗難防止効果: 図書の不正な持ち出しを効果的に防止し、図書館の貴重な資料を守ります。
貸出手続きの徹底: 利用者の貸出手続き忘れを防ぎ、図書の適切な管理に貢献します。
図書館運営の効率化: 不正持ち出しを抑制することで、図書館職員の業務負担を軽減します。

デメリット

一方で、BDSにはいくつかのデメリットも存在します。

心理的圧迫感: ゲートの存在が利用者に心理的な圧迫感を与える可能性があります。特に、誤作動が発生した場合、利用者にとって不快な経験となることがあります。
設置費用: ゲートの設置や蔵書へのタグ取り付けには費用がかかります。特に大規模な図書館では、これらの費用が大きな負担となることがあります。
誤作動のリスク: システムの誤作動により、貸出手続き済みの図書でも警告音が鳴ってしまうことがあります。
心臓ペースメーカーへの影響: 磁気式のBDSの場合、心臓ペースメーカーを使用している人に影響を与える可能性があります。

その他の関連事項

BDSは、図書館のセキュリティを向上させる上で重要な役割を担っています。しかし、その導入には、費用対効果や利用者の利便性とのバランスを考慮する必要があります。また、技術の進歩に伴い、より精度の高いシステムや、利用者にストレスを与えない新しい方式の開発が期待されています。

関連語句

万引き防止タグ
図書館
スリーエム ジャパン
* 鎖付図書

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