ブッシェル

ブッシェル：穀物の計量単位

ブッシェル(bushel)は、ヤード・ポンド法で使用される体積の単位です。液体ではなく、穀物などの乾燥した物体の体積を測る際に用いられます。日本では法定計量単位としては認められていません。

ブッシェルの定義と種類

ブッシェルは主に、穀物の生産や取引において、その規模を表す際に用いられます。1ブッシェルは8ガロンと定義されていますが、ガロン自体がアメリカとイギリスで異なるため、ブッシェルの値も両国で異なります。

英ブッシェル: 正確に36.36872リットル (8英ガロン)
米ブッシェル: 正確に35.23907016688リットル (8米穀物ガロン、2150.42立方インチ)

米ブッシェルは「ウィンチェスターブッシェル」とも呼ばれ、元々は直径18.5インチ、深さ8インチの円筒容器の容量として定義されていました。現在は正確に2150.42立方インチと定義されています。

質量単位としてのブッシェル

現代では、ブッシェルは体積単位というよりも、質量単位として用いられることが一般的です。これは、同じ体積であっても、穀物によって重さが異なるためです。日本の「俵」が質量の単位として用いられる場合と同様の事情と言えるでしょう。穀物によって、1ブッシェルの重さは異なり、概ね以下の通りです。

オート麦（アメリカ）: 約32ポンド (約14.515kg)
オート麦（カナダ）: 約34ポンド (約15.422kg)
大麦: 約48ポンド (約21.772kg)
トウモロコシ・ライ麦: 約56ポンド (約25.401kg)
* 小麦・大豆: 約60ポンド (約27.215kg)

これらの重さはあくまで目安であり、穀物の種類や水分量などによって変動します。正確な重さを知るためには、個別に計量する必要があります。

ブッシェルの歴史と現状

ブッシェルは歴史の長い単位であり、古くから穀物の取引において重要な役割を果たしてきました。しかし、現代ではメートル法が広く普及しているため、ブッシェルの使用は減少傾向にあります。特に日本では、ほとんど使用されていません。それでもなお、一部の地域や業界では、慣習的にブッシェルが使われ続けているケースも見られます。

まとめ

ブッシェルは、ヤード・ポンド法における体積単位でありながら、実際には質量単位として用いられることが多い単位です。アメリカとイギリスで異なる値を持つこと、そして現代ではメートル法への移行が進んでいることを理解しておくことが重要です。穀物の取引や歴史を学ぶ上では、ブッシェルという単位とその背景を理解することは有益でしょう。

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