ブッダガヤ

ブッダガヤ：仏教の聖地

ブッダガヤ（仏陀伽耶）は、インド北東部のビハール州、ガヤー県に位置する仏教の重要な聖地です。この地域は、ガンジス川の支流であるニーラージャナー川の岸にあり、ブッダが悟りを開いた場所として広く知られています。特に、ここは仏教の八大聖地の一つとされ、その中でも最も神聖な地の一つとされています。

歴史的背景

ブッダガヤの象徴的な存在であるマハーボディ寺院は、紀元前3世紀頃にアショーカ王によって建立されたとされています。この寺院は、釈迦が菩提樹の下で悟りを得たとされる場所に位置しており、本堂には高さ52メートルの大塔、金剛宝座、菩提樹、沐浴の蓮池が存在します。これらは、ブッダの修行の歴史を今に伝える重要な遺跡です。

ブッダガヤという名称は、19世紀に西洋のインド学者によって付けられたもので、元々この地域は「ガヤー」または「ガヤー・ティールタ」と呼ばれていました。この場所は、ブッダが悟りを開く以前から聖地として認識されていました。『ヴァーユ・プラーナ』では、ガヤという名前の由来が語られており、アスラが自身の身体をブラフマーに捧げ、その上に巨大な石が置かれたことが記されています。

宗教的意義と発展

アショーカ王の碑文によると、彼はこの地を訪れたことが記録されています。その後、グプタ朝時代にマハーボディ寺が築かれ、12世紀まで仏教徒の巡礼地として栄えました。しかし、その後一時期忘れられてしまい、16世紀にはヒンドゥー教シヴァ派の巡礼地として再興されました。19世紀末、スリランカ人のアナガーリカ・ダルマパーラが再び仏教徒の手に戻す運動を開始しましたが、司法上の問題に直面しました。

1949年、インド独立後に制定されたビハール州の法律により、マハーボディ寺はヒンドゥー教徒と仏教徒で構成される管理委員会による共同管理の対象となります。最初はヒンドゥー教徒が委員会長に任命されていましたが、2013年にはこの制度が修正され、他の宗教の信者も委員会長になる可能性が認められました。また、2013年にはブッダガヤ爆弾テロ事件が発生し、地域住民や観光客に衝撃を与えました。

アクセスと交通

ブッダガヤへのアクセスも充実しています。市街地から数キロメートルの距離にガヤ空港があり、国内線やタイやミャンマーとの国際線が運行されています。さらに、インド国鉄のガヤ・ジャンクション駅は市街地から10キロメートル北に位置し、デリーやコルカタとを結ぶ重要な鉄道網の一部を成しています。これにより、コルカタまでの距離は約450キロメートルで、最速6時間程度での移動が可能です。ビハール州の州都パトナーへも鉄道で結ばれ、約90キロメートルの距離を最速1時間50分弱で移動できます。

このように、ブッダガヤは仏教徒にとって特別な意義を持つ場所であり、その歴史的背景や宗教的な重要性は、今も多くの信者や観光客を惹きつけています。

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