ブッポウソウ科

ブッポウソウ科（学名：Coraciidae）は、鳥類における分類群の一つで、ブッポウソウ目に含められます。この科に属する鳥たちは、その名の由来ともなった独特な生態や、多くの種が持つ鮮やかな体色で知られています。模式属はニシブッポウソウ属（Coracias）です。

分布

ブッポウソウ科の鳥類は、非常に広範囲に分布しています。アフリカ大陸、オーストラリア大陸、ユーラシア大陸といった大きな陸塊に加え、インドネシア、スリランカ、日本、フィリピンといった島嶼部にも生息域を広げています。

形態

本科の鳥類の体長は、およそ25センチメートルから45センチメートル程度です。細長く伸びた翼を持ち、飛行能力に優れています。頭部は比較的大きく平らで、特徴的なのは嘴（くちばし）です。嘴は短くて太く、根元が幅広い形状をしています。先端はわずかに下向きに湾曲しています。

分類

ブッポウソウ科は、主にニシブッポウソウ属（Coracias）とブッポウソウ属（Eurystomus）の二つの属に分けられます。分類学的研究に基づき、ニシブッポウソウ属にはオナガニシブッポウソウ（Coracias abyssinica）、インドブッポウソウ（Coracias benghalensis）、ライラックニシブッポウソウ（Coracias caudatus）、ニシブッポウソウ（Coracias garrulus）などを含む8種が、ブッポウソウ属にはアフリカブッポウソウ（Eurystomus glaucurus）、ブッポウソウ（Eurystomus orientalis）などを含む4種が知られています。これらの分類や英名については、主にIOC World Bird Listおよび1986年の黒田氏による研究成果が参考にされています。

生態

ブッポウソウ科の鳥は、主に森林や開けた草原といった環境に生息しています。普段は単独やつがいで行動し、それぞれが縄張りを形成して生活を送ります。しかし、餌となる昆虫などが大量に発生した場合や、季節的な移動（渡り）の時期には、一時的に大きな群れを形成することもあります。

食性は動物食であり、主に昆虫類や爬虫類などを捕食します。狩りのスタイルは、属によって特徴的な違いが見られます。ニシブッポウソウ属の種は、木の枝などの高い場所から地上を見下ろし、獲物を見つけるとそこへ急降下して捕らえる「待ち伏せ型」の狩りを行います。一方、ブッポウソウ属の種は、飛びながら空中を舞う昆虫などを器用に捕らえる「空中捕食型」の狩りを行います。

繁殖は卵生で、繁殖期にはオスによる独特な求愛行動が見られます。オスは空中を飛びながら、くるくると体を回転させたり、転がるようなアクロバティックな飛行を披露します。この「転がる（Roller）」ような求愛ディスプレイが、本科に属する多くの鳥の英名「Roller」の由来となっています。巣作りには、樹木の洞や、人間が作った建築物の隙間などが利用されます。

ブッポウソウ科の鳥たちは、その美しい姿とユニークな生態から、多くの人々を魅了しています。系統的にはブッポウソウ目に属する多様な鳥類の一群を形成しています。

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