ブライアン・ワイルドスミス

ブライアン・ワイルドスミス

ブライアン・ワイルドスミス（1930年1月22日 - 2016年8月31日）は、イギリスの絵本画家として知られ、数多くの魅力的な作品を手がけました。特に『Brian Wildsmith's ABC』や人気のある「さかな」「とり」「どうぶつ」の三部作、さらには『マザーグース』などが代表作となっています。彼の作品は日本でも非常に高い評価を得ており、2017年まで静岡県伊東市に「ワイルドスミス絵本美術館」が存在していました。

絵本作家としての彼は、現代における「絵本」の様式を築いた重要な人物とされています。1962年に彼のデビュー作『Brian Wildsmith’s ABC』が出版され、その後英国の絵本最高賞であるケイト・グリーナウェイ賞を受賞し、絵本界に新たな地平を開いたと言われています。「絵本界の色の革命」と評される彼の作品は、子どもたちや自然に向けられた温かな視点が特徴であり、80以上の作品は30以上の言語に翻訳され、37カ国で出版されるなど、今なお多くの国で親しまれています。

略歴

ワイルドスミスは1930年、イギリスのヨークシャーで生まれました。彼はバーンズレイ美術学校とロンドン大学芸術学部（スレイド美術学校）で学び、その後は数学と音楽の教師として活動していましたが、絵画に専念する決意を固め、画家としての道を歩み始めました。1960年にはオックスフォード大学出版局と契約を結び、1962年には『ワイルドスミスのABC』を出版し、ケイト・グリーナウェイ賞を受賞しました。それ以降も多くの絵本を手掛け、彼の作品は広く評価され続けました。

2003年には岐阜県美術館で、ワイルドスミスの絵本活動40周年を記念した「ワイルドスミス絵本の世界 -おとぎの国のファンタジア-」展が開催され、多くの人々にその魅力が伝えられました。彼は2016年8月31日に86歳でこの世を去りました。

特徴と作風

ブライアン・ワイルドスミスは、絵本の基礎を築いた作家の一人とされており、その豊かな色彩使いから「色彩の魔術師」とも称されています。彼の作品には水彩やグワッシュ、パステル、コラージュなど様々な技法が用いられ、色彩の華やかさと共に独自のストーリーが展開されます。また、彼の作品には多彩な人生経験や自然への深い愛情が反映されており、それが見る人々の心をつかむ要因となっています。

ワイルドスミス絵本美術館

静岡県伊東市の伊豆高原にあった「ワイルドスミス絵本美術館」は、2017年頃に閉館しましたが、ここでは彼の原画を約1,000点所蔵しており、年に2回の企画展が行われていました。来館者はその素晴らしい原画を通じて、違う世界観や彼の独特な感性に触れることができた場所でした。

日本語訳

ブライアン・ワイルドスミスの絵本は日本語にも多く翻訳されており、彼の作品を通じて日本の子どもたちにもその魅力が広がっています。1969年にリリースされた『ブライアン・ワイルドスミス作品選』全7巻を始めとして、多くの作品が日本の読者に親しまれています。

彼の独特な視線と表現技術は、これからも多くの人々に影響を与え続けることでしょう。それは、色彩と物語が見事に融合した彼の絵本の美しさによるものです。

もう一度検索