ブライス・アリーナ

ブライス・アリーナの歴史

ブライス・アリーナ（Blyth Arena）は、かつてアメリカ合衆国カリフォルニア州のスコーバレー・スキーリゾート内に存在したスケートリンクである。1960年にスコーバレーオリンピックの開催にあわせて建設され、オリンピックの開閉会式やフィギュアスケート、アイスホッケーの競技会場として利用された。

名称の由来と特徴

アリーナの名称は、カリフォルニア州オリンピック委員会の会長であり投資銀行家のチャールズ・R・ブライスに由来している。収容人数は8500人だが、オリンピック期間中のアイスホッケー競技では、特にアメリカ対ソ連戦や最終日のアメリカ対チェコスロバキア戦においては、立ち見を含めると1万人が観戦したとも言われている。アリーナは海抜1890メートルの位置にあり、南側が開放されていたため、南に位置するスピードスケート場と合わせて開閉式が行われる様式も整っていた。

このアリーナの設計は非常に革新的で、鋼鉄の柱からケーブルで吊り下げられた屋根の構造によって、観客の視界を確保するために柱を室内に設ける必要がなかった。また、人工氷の製造施設から生じる排熱を利用して、屋根下の雪を解かすシステムも導入されていた。これにより、より円滑なスケート体験が提供されていた。

壊滅的崩壊

しかし、1982年に農務省が省エネの施策として行った断熱工事が、人為的なミスを引き起こし、アリーナの壊滅的な崩壊を招いてしまう。断熱工事によって融雪システムの熱が屋根表面に伝わらず、雪が解けなかった結果、雪の重みに耐えきれずに崩落してしまった。特に、その冬は記録的な大雪に見舞われ、雪の重さが一気にアリーナにのしかかることとなった。

さらに、除雪のために屋根に雪上車を載せたことで、急激な荷重変化を引き起こし、それが屋根の負荷分散システムを破壊する要因となったという。アリーナは1983年に解体され、その跡地は現在スキーリゾートの駐車場として利用されている。

新たなアイスアリーナ

スコーバレー・スキーリゾート内には、新たに標高2500メートルの場所にアイスアリーナが設けられた。この新しいアリーナは、冬季には屋根を外して屋外アリーナとして利用されており、風が強い日にも屋根を取り外して運用されることがある。新しい施設にはオリンピックマークが描かれており、1960年のオリンピックで使用された旧アリーナと混同されることも少なくない。

今回の形でスコーバレーの地に新たなアイスアリーナが構築されたことは、過去の栄光を受け継ぎつつ新しい歴史を刻むことにつながっている。

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