ブラジル空軍

ブラジル空軍

ブラジル空軍（Força Aérea Brasileira、略称FAB）は、ブラジルにおける空軍組織であり、国民を構成する国民軍として主に20世紀の中頃から発展を遂げてきました。近年では、その多民族国家としての特性を活かし、日系ブラジル人のパイロットも所属している点が特徴です。

歴史的背景

冷戦時代には、ブラジルは親西側のスタンスを取り、コロンビアと並んで多くの西側製の軍事機器を導入しました。これにより南米大陸の広大な防空識別圏を守り、国の防衛体制を確立しました。最新の取り組みとして、次期主力戦闘機としてスウェーデン製のグリペンNGの導入が計画されています。

組織構成

2019年時点で、ブラジル空軍は約67,500人の現役兵士を擁し、多様な機関が設置されています。

主要機関

• - 空軍本部 (COMAer): 1999年に空軍省から改組され、国防省の管轄下にあります。空軍総司令官は大将の階級を持つ四つ星将軍が、ブラジル大統領の指名により選出されます。
• - 空軍航空作戦総司令部 (COMGAR): ブラジリアに本拠を置きます。
• - 空軍支援総司令部 (COMGAP)、 空軍人事総司令部 (COMGEP)、および 空軍航空宇宙技術総司令部 (DEPED) などの他の主要機関も存在します。

陣営と地域部隊

• - 4個航空軍 (Forcas Aereas): 各種作戦部隊を管理運用します。
• - 7個領域航空集団 (COMAR): 航空基地などの運営を担当します。

航空教育と民間航空

さらに、航空教育局（DEPENS）や民間航空局（DAC）、空域管制局（DECEA）などの組織があり、様々な教育や運営が行われています。

作戦部隊

ブラジル空軍は、以下のような各種作戦部隊を設置しています。

• - 領空防衛群 (GDA): 防空戦闘を担当
• - 輸送群 (GT): 輸送及び給油を行います
• - 航空群 (GAv): 要撃や対地攻撃、偵察、捜索救難、ヘリコプター業務を実施
• - 戦闘航空群 (GAvCa): 制空戦の任務を担います
• - 部隊輸送群 (GTT): 輸送業務および空挺支援を行います
• - 特別飛行群: 検定・校正や試験飛行を行う部隊も存在します
• - 航空輸送隊 (ETA): 航空機による輸送を担当
• - 飛行教育隊 (EDA): パイロット教育を行う部隊もあり、アクロバット航空隊としての機能も持っています。

装備

ブラジル空軍の装備には、さまざまな航空機のほか、複数の種類のミサイルも含まれています。具体的には、ピラニアAAMやパイソンAAM、シュペル530AAMなどが採用されています。これにより、強力な防空力と攻撃力を保有しているのです。

ブラジル空軍は、その歴史的な背景と現在の組織体制、及び多様な作戦能力により、ブラジルの空域を守るための重要な役割を果たしています。

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