ブラックバースピン

ブラックバースピン：CBC賞を制した短命の天才

2007年のCBC賞（GIII）優勝馬ブラックバースピンは、日本の競走界にその名を刻んだサラブレッドです。田中勝春騎手が主戦を務め、CBC賞では四位洋文騎手の好騎乗が光りました。その名前の由来は「ブラックバーの回転」と、独特で印象的なものです。

華々しいデビューと早期の活躍

2歳時は、デビュー戦で2着と好スタートを切ると、続く未勝利戦とベゴニア賞（500万下）を連勝。若き才能の片鱗を見せつけました。しかし3歳時以降は、ジュニアカップや共同通信杯などに出走するも、思うような結果を残せず、スプリングステークスを目指した調整中に脚部不安を発症。春シーズンは全休を余儀なくされました。

復活と重賞制覇

休養を経て復帰すると、降級戦となった飯豊特別を制し、白秋ステークスも勝利。再びオープンに昇級を果たします。キャピタルステークスではエアシェイディに次ぐ2着と健闘しましたが、その後はしばらく低迷期が続きます。しかし、10番人気と低評価だったCBC賞で、四位騎手の絶妙な騎乗によって、馬場の真ん中を突いて優勝。重賞初制覇という栄光を掴みました。

惜敗続きとダート挑戦

CBC賞優勝後も、函館スプリントステークス3着、キーンランドカップ4着など、好走を挟みながらも、思うような成績を残せませんでした。スプリンターズステークスへの出走は叶わず、初のダートレースとなるペルセウスステークスでは2着と善戦。再び芝に戻ったスワンステークスでは5着、京阪杯では4着と、惜しくも勝利には届きませんでした。

晩年と突然の死

2008年はオーシャンステークス11着、高松宮記念8着と振るわず、谷川岳ステークスを前に脚部不安で回避。その後、長期休養を経て2009年に復帰しますが、欅ステークスでは15着と大敗。函館スプリントステークスでは4着に入線するも、後に3着に繰り上がりました。しかし、その後はUHB杯、朱鷺ステークス、室町ステークス、京洛ステークスと低迷が続き、2009年10月18日、放牧先で病気により死亡しました。調教師の手塚貴久氏はブログで病名をEPM（ウマ脳脊髄炎）と公表しています。

血統とCM出演

ブラックバースピンは、米国のGI競走を3勝したSouthern Imageを半兄に持つ良血馬でした。また、キャピタルステークスでの映像が、2007年度初頭のJRAのCMに使用されるなど、その活躍ぶりは広く知られることとなりました。

短いながらも輝いた競走生活

ブラックバースピンは、短い競走生活の中で、数々の栄光と苦難を経験しました。その才能と努力、そして惜しまれる早すぎる死は、多くの競馬ファンに深い印象を残しています。CBC賞での勝利は、彼の競走人生における最高の瞬間として、これからも語り継がれることでしょう。彼の活躍は、日本の競馬史に小さなながらも重要な一ページを刻み込んだと言えるでしょう。

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